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    ~5000歩の旅~
    板柳町
  • 老舗とリンゴの町

 太陽が照りつける7月下旬。板柳駅を発着点に「日本一のりんごの里づくり」を目指す板柳町で歴史を感じさせる町並みを散策した。 まずはメーンストリート「仲町通り」を目指し、最初の交差点を右へ。道路脇にはリンゴの絵が描かれたプレートが埋め込まれ、丸みを帯びた街灯も果物のよう。チェーン店の居酒屋や板柳ならではのホルモン焼きの店を通り過ぎた。(小路口裕充)

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▼976歩
写真変わらぬ味を守る川口あんぱんの川口啓子さん=地図(1)

 仲町通りに入り、自家製あんを薄皮で包んだお菓子で有名な「川口あんぱん」に立ち寄った。出迎えてくれた川口啓子さん(68)によると、以前はコメや雑貨を扱っていたが、1880(明治13)年に「川口あんぱん」を発売し、以来味を守っているという。さまざまなお菓子を製造販売しているが、人気商品は変わらずあんぱん。川口さんは「いつもと違うお菓子を買って行ったお客さんが『おみやげはあんぱんでいいはんで』と言われたそうです」と、ほほえんだ。

▼1138歩
写真竹浪酒造の17代目、杜氏の竹浪令晃さん=地図(2)

 店を後にするとすぐに1645(正保2)年創業の老舗「岩木正宗 竹浪酒造店」を発見。のれんをくぐるとひんやりとした空気が心地よい。「すみません」と声を掛けると奥から杜氏(とうじ)の竹浪令晃さん(43)が出てきてくれた。

 竹浪さんいわく「うちの酒はどっしりとした濃い口で熱燗(あつかん)向け。好き嫌いの出る酒だけど小さい蔵だとたくさんの種類は造れない」とのこと。店の奥には酒を貯蔵するタンクがずらり。酒蔵ではここ数年ジャズライブが開かれており、今年も計画しているという。

▼1267歩
写真所狭しとカメラが並んだ展示室を案内する工藤館長=地図(3)

 竹浪酒造を出ると道路の斜め向かいにひときわ目を引く看板が目に飛び込んできた。カメラ好きの間では全国的に有名な「世界写真機博物館」だ。古今東西の希少なカメラ約2千点を展示している。話し好きの館長、工藤重美さん(82)は「よく来たね」と大歓迎してくれた。「どうせやるなら日本一を目指しました」という言葉も納得。手作りカメラや、カメラの歴史、構造を解説したパネルを堪能して店を後にした。

 仲町通りを直進、海童神社を過ぎ、人気店「手打ちそば むらかみ」のある丁字を左折した。

▼3530歩
写真次々と瓶詰めされる「Ringo Work」のジュース=地図(4)

 リンゴの加工場、レストラン、コテージ、喫茶店などの複合施設、町ふるさとセンターに到着。加工場では緑の木のマークでおなじみ「Ringo Work」ブランドのジュースを作っていた。施設の佐藤みどりさんによると「一日に720ミリリットル瓶を5千本作っています」とのこと。

写真リンゴの摘果作業に精を出す植野さん=地図(5)

 見学を終えると近くのリンゴ園で農家が摘果作業をしていた。今年の出来栄えを尋ねると、植野純司さん(63)は「そろそろ雨がほしいけど、いいできだよ。こういう干ばつの方が味はいいんだ」と日焼けした顔に笑顔を浮かべた。

 来た道を少し戻り、遊歩道「アップルモール」を通って町役場へ。右に曲がり駅を目指した。

▼5295歩

 1960(昭和35)年創業の板柳温泉の看板が目にとまった。びっしょりの汗を流そうと中に入ると、番頭をしていた経営者の村上智加子さん(78)が「暑いね~。ゆっくり入っていって」と優しく声を掛けてくれた。洗い場で顔にシャワーを当てると日に焼けたせいか少しヒリヒリ。熱めの湯船で久々に足を伸ばした。