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    ~5000歩の旅~
    外ケ浜・蟹田
  • 活気あふれる「風の町」

 陸奥湾に面し、海の幸に恵まれた外ケ浜町。太宰治の小説「津軽」の一節「蟹田ってのは、風の町だね」のフレーズが印象深い蟹田地区を5月下旬、ぶらり歩いた。やわらかい風に迎えられ、蟹田駅を出発。すぐ右手の駅前市場「ウェル蟹」を過ぎて、町商工会作成の「かにたてくてくマップ」を手に松前街道(国道280号)を北上。国道周辺の商店地域には約30店舗が軒を連ねる。(千葉康之)

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▼950歩
写真新鮮なホタテやメバルなどが並ぶマツオスーパー=地図(1)

 蟹田橋近くで、町民に長く親しまれている「マツオスーパー」に立ち寄った。鮮魚コーナーをのぞくと、地元産のメバルやホタテ、アブラメなどが氷の上に並んでいた。常連客の横山みつのさん(70)と小鹿京子さん(67)姉妹が仲良く買い物中。「一日おきで一緒に歩いて買い物に来ている」(小鹿さん)、「ここの魚は新鮮だよ」(横山さん)と教えてくれた。

 蟹田川では4月下旬から5月中旬ごろまで「蟹としろうお祭り」が開かれ梁(やな)場はにぎわう。蟹田川を渡り蟹田漁港へ。朝のホタテの水揚げを終え、片付けや漁の準備をする漁師の姿があった。フロート(浮き)の掃除をしていた男性は「今年のホタテは実入りが良くていいでき」と忙しそう。隣接するむつ湾フェリー乗り場では、イルカウォッチングに訪れた観光客が出港を待っていた。

▼2005歩
写真自慢のシフォンケーキを手にする金澤さん(左)と高畑さん=地図(2)

 心地よい海風を浴びながら海水浴場沿いに進む。海岸公園休憩所の2階にあるのは米粉スイーツの店「カンパーニュ」。店を切り盛りするのは金澤美加子さん(49)と高畑廣子さん(36)。地元や季節の素材を使った約15種類のシフォンケーキがお薦めで「米粉のしっとり感がおいしいよ」と2人。値段もびっくりの100円。早速、ホットコーヒーとシフォンケーキをテークアウト。

▼2355歩
写真陸奥湾と蟹田の街並みを一望できる観欄山の展望所=地図(3)

 国道を山側に渡り、太宰も花見をしたという観欄山登り口へ。小高い丘の展望所まで一気に登ると、思ったよりも開けた景色に驚く。時折、白波の見える陸奥湾の向こうに下北半島が見える。太宰の文学碑を背に、先ほど買ったコーヒーをごくり。よく弁当を持参し訪れるという同町出身の男性が「あれがN君(同町の太宰の親友)邸だよ」と指さして教えてくれた。

▼3465歩
写真一輪車演技の練習に励む蟹田小の子どもたち=地図(4)

 展望所をゆっくり下り、南西に進むと町中央公民館がある。放課後、学童教室に子どもたちの元気な声が響く。体育館では、児童らが一輪車演技の練習に励んでいた。蟹田小3年の工藤多笑さん(8)は、ペダルから足を離して演技する座り技を練習中。「早く立ち技ができるようになりたい」と目を輝かせた。

▼4815歩
写真風呂上がりにトランプゲーム「ゴニンカン」を楽しむ浴場利用者たち=地図(5)

 公民館をあとに、外ケ浜署前を通り再び蟹田川を渡る。バイパス工事に伴う町道切り替え工事のため、迂回(うかい)しながらゴールに決めていた健康浴場「ぽっぽ湯」へ。汗を洗い流し、休憩室へ向かうと「ピシッ、ピシッ」という音が。座布団を囲み、トランプゲームのゴニンカンに興じる輪が2組。

 通い初めて2年という中道正則さん(66)は「ここに来れば、みんなと話もできて気持ちが楽になる」と楽しそうだ。