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    ~5000歩の旅~
    八戸・小中野
  • 港町 往時の活況今に

 八戸市中心部から東に約4キロ。新井田川河口に接する小中野地区は江戸時代から漁業、交通の要衝として栄え、歓楽街が発展した。現在も五つの金融機関の支店があり、往時のにぎわいを伝える。5月上旬、初夏の日差しを浴びながら歴史ある港町を歩いた。(漆舘卓海)

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▼273歩
写真解体予定だった空き店舗を活用した「大町ボンボン」=地図(1)

 昨年建て替えられたばかりの小中野公民館を出発。県道1号沿いに趣ある木造建築とコンビニエンスストアが混在する新丁商店街を西に進むと、古風な茶色の建物に紫の看板を見つけた。「大町ボンボン」(藤井寅男代表)。解体予定だった酒店で、20~70代の市民13人がポーチや木工細工など手づくりの品を持ち寄り販売する。訪問日がちょうど開店1周年。店名に深い意味はないが「商店街がシャッターばかりで寂しい。もっと人が集まる場にしたい」と藤井代表は話す。

▼1395歩
写真空き地で自転車で遊んでいた大堀心寧さん(右)と、見守る祖母・信子さん=地図(2)

 クリーニング店脇の路地を抜け、新丁商店街と平行に走る浦町通りを東へ歩く。人影もまばらな閑静な住宅街の空き地で、自転車で遊ぶ大堀心寧(ここね)さん(小中野小1年)を祖母・信子さん(71)が見守っていた。「いつもは小中野児童館で遊ぶ」という心寧さん。信子さんは「きょうは、おばあちゃんと遊びたいって家に来た」と目を細めた。

▼1660歩
写真創業126年目の毛皮販売店の4代目・河村さん=地図(3)

 浦町通りから再び新丁商店街へ。湊橋のたもとに毛皮製品で埋まるショーウインドーが目についた。創業126年の毛皮販売店「丸一河村(まるいちかわむら)」。4代目の河村和男社長(54)によると、キツネやテンなど70種以上の毛皮を扱い、北東北で唯一、加工から販売まで手掛ける。「ハマの気質か、強い意志を持った個性的な店が多い街ですね」

▼1968歩
写真電動のこぎりで氷の塊を切り分ける氷販売店の4代目・田村さん=地図(4)

 閉店した飲食店のカラフルな看板群が目立つ細い路地へ。奥に進むと、100年以上続く氷屋さん「田村氷販売店」の4代目・田村哲夫さん(62)が、透き通った氷の塊を電動のこぎりで切り分けていた。お得意さんは釣り人や飲食店、イベント関係者で、高校の文化祭が重なる時期には引っ張りだこ。「子供たちの喜ぶ顔がうれしいんだ」と豪快に笑う。「質の良い氷がコンビニで手に入る時代。氷屋は自分の代までかな」と田村さん。6月には二女も嫁ぐ。「いつまで続くか分からないが、注文があればいつでも対応するよ」と再び工具を握った。

▼4811歩
写真小中野児童館の頼もしいお兄ちゃんの中村君(小中野小3年)=地図(5)

 夕日が沈み始めたころ、心寧さんが好きな小中野児童館を発見。保護者の迎えを待つ小中野小1~3年生の児童60人余りが元気に遊ぶ。みんなの頼もしいお兄ちゃん・中村至温(しおん)君(小中野小3年)。将来は「野球選手になってホームランを打つ」と宣言した。