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「本物志向」の料理とサービスを追求し
評価される店に

写真
野崎 紀子氏
中国料理 豪華楼
代表取締役
1977年、弘前市生まれ。弘前高校、玉川大学文学部卒業。青森県内の企業に勤務後、ウェスティンホテル東京などでサービス業務を学ぶ。2009年、イマジン株式会社入社。14年、「中国料理 豪華楼」代表取締役総支配人就任。
■グループ初の中国料理店

----弘前市をはじめ青森県内、北海道などでホテル、ゲストハウス、レストランでウエディングを中心に展開するイマジングループの中で、豪華楼はどのような役割を担っているのでしょうか。

 「豪華楼」がイマジングループの運営となってから丸3年たちました。それ以前、グループのレストラン事業は弘前パークホテルの「津軽三味線ダイニング響」、青森市の「わいん倶楽部」と和食・洋食の二本柱で展開していました。そこに中国料理の当店が加わることで、お客さまの、より幅広いニーズにお応えできるようになりました。またスタッフに関しましてはグループ内で業務応援体制を行うこともあります。和洋中の職人が各施設を相互に行き来しますが、技術や盛りつけなど、お互いの良い所を共有しながらモチベーションを高め合う効果も生まれると思います。そうした意味でも、グループに中国料理店が加わったことの意味や役割は大きいと考えています。

 加えて現在少しずつ基盤をつくっている段階ではありますが、今後は、結婚を祝う会や顔合わせをはじめ、豪華楼もウエディングに関することにも積極的にチャレンジしていこうとしています。

----豪華楼は、市街地再開発事業によって生まれ変わった弘前駅前の近代的な街並みの一画にあります。都市型の店として、どのような経営スタイルを目指していらっしゃいますか。

 当店の強みは、最大100名収容のお部屋から2~6名対応の半個室まで、大・中・小、さまざまな人数・用途に対応できる宴会場があることだと考えています。駅前ですので県内外の企業さまのご利用があるのも強みと考え、それを生かせるよう100名規模でも対応できる各種宴会プランのほか、少人数の接待用のプレミアムプランなどもご用意しています。またお昼に「ランチミーティング・プラン」をご用意しています。平日の日中、新入社員研修や商談などに宴会場を使っていただこうというプランです。宴会場というのは、平日のお昼はどうしてもご利用頻度は少ないものですし、何もしなければそのままですが、まずは「商品」としてつくり、売り込んでみてはどうかと考えたのがきっかけです。簡単なリーフレットを作ってPRすることから始めましたが、徐々に浸透してきたと感じています。

 またビジネスのほかに、同窓会でも多く利用いただいています。300名などの大きなものには対応できませんが、50人前後といった規模の集まりには、駅前という立地も含めて、ちょうど使いやすい施設として認識していただいているのではないでしょうか。弘前駅にもバスターミナルにも近いですから、県外から帰省される方にも便利だと思います。

■「本物志向」への追求

----豪華楼の料理の特徴、お薦めのメニューなどを教えてください。

 豪華楼は中国四大料理を幅広くお楽しみいただけるメニューを提供してきました。中でも広東料理を得意としていますが、日本人が食べてもおいしいと思える中国料理であるのも特徴だと思います。メニューは料理長が考えます。食材はできる限り四季折々の地元産のものを使い、料理長、副料理長が「道の駅」などに自分たちで買い出しに行くこともあります。地元のものを使うことによって運送時間が短く鮮度が良く、さらに青森らしい中国料理を提供したいことも理由の一つです。板柳のマコモダケを県内のレストランで使い始めたのは豪華楼であるという話もあります。お店の麻婆豆腐は人気がありますが、その豆腐も弘前のものを使っています。

 私のお薦めメニューは、「わけありフカヒレの姿煮」です。フカヒレは高価な食材ではありますが、こちらは多少形に崩れがありますが、形良いものと味は同じで価格は2600円。2~3人でシェアできる量をご提供しています。ランチセットのお薦めはさまざまな食材が楽しめる女性副料理長“る~さん”考案の福福ランチセットです。また麺は焼きそば・汁そば共に「五目あんかけ」が一番人気ですが、私の一押しは「やみつき湯麺」。もともとは賄いとして作っていた当店のオリジナルメニューで、タケノコ、ザーサイ、豚肉、海老などの味と食感が楽しめる塩味の餡(あん)とスープに生姜とフライドオニオンのアクセントが利いていて、食べた後またすぐ食べたくなります。一時お店でもブームとなり、来るお客さま皆さまがこれを注文された時期もあったようです。

----東京から一流のシェフを招いたイベントなども開催されています。

 イマジングループとしてリニューアルオープンするにあたり、陳健一さんにご協力いただいて、陳さん監修による四川特選メニューを期間限定で提供しました。また、当店の若手スタッフ2名が、陳さんの下で修業させていただき四川料理について深く学んできましたので、そのお披露目の意味もあり、オープンのイベントには陳さんにもお越しいただくなど、当初は大々的に四川料理を前面にアピールしました。ただ、私は、やはり料理長をはじめ自分たちが得意なもので勝負するべきだと考えていますので、現在は、学んだ四川風を夏季の宴会料理に取り入れる形へ展開しています。

 また、中華というと少し高級なイメージがあるかと思いますが、年2回、中国料理をより気軽に親しんでいただくことを目的としたイベントを開催しています。会費1万円前後で純粋においしい料理とお酒を楽しんでいただこうという会です。1回目は、フカヒレにスポットを当てつつ陳健一さん監修のメニューを一部復刻版として取り入れました。2回目はドンペリとスッポンを楽しむ会、3回目は豚肉に特化し、前菜からデザートまで全て豚に絡んだものが入っているというメニュー構成で行いました。次回4回目は、11月中に海鮮をテーマに行うことになっています。(メニューは酔っ払い活ボタン海老ほか)

----代表取締役に就任されて2年が経過しました。経営理念、今後の展望などをお聞かせください。

 経営理念はイマジングループと同じです。「いつでも吹く風の矢面に立つ」「自由奔放大胆且つ繊細でいつでも商人である」「一人多数役を心がけ先駆開拓感謝協力の精神を自覚する」(以下略)。つまりは何ごとからも逃げないことと、チャレンジ精神と商人の気持ちを持ち続けることが柱です。経営については、まだまだ私は勉強中ですが、店づくりの方向として、まずは本物志向の店にしたいと考えています。本物の料理、本物のサービスを追求し、幅広い年齢層のお客さまに笑顔でお食事を囲んでいただくこと。私の目指す最終点はそこです。そのためにスタッフにはとにかく勉強してほしいのです。例えば調理師免許を持っているからと満足するのではなく、次は専門調理師免許に挑戦しようとか。ホールスタッフであれば、ソムリエの資格取得を目指すのもいいでしょう。ただやみくもに勉強するのではなく、それぞれが具体的な目標を持ち、そこに向けた努力をすることが大事だと思います。それからいろいろな経験もしてほしいです。休みの日は県内でも、余裕があれば県外にも出掛けて、いろいろなお店に行って食べてみる、サービスを体感してくる。それらの全てが勉強になります。私自身は、海外も良いと思いますが東京を含め日本の主要都市のお店が気になります。衛生面や料理の繊細さ、面白さなど優れていると思いますし常に学ぶところがあります。

 当店は、施設としては決して新しい建物ではありませんが、しっかりとした料理とサービスを評価していただけるよう勉強を続け、「本物」の中国料理、本当においしい料理が食べられる店として地元に浸透するよう、これからも努力していきたいです。