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会員農家の所得向上と
地元商工業の共栄を担う

■指定管理者としての責任
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川島 勝義氏
株式会社 アクトプラン
代表取締役社長
 1950年、(旧)中里町生まれ。高校卒業後、自衛隊に入隊。73年より中里町役場(当時)に勤務。農政、福祉分野を中心に担当。2011年、退職後、株式会社アクトプラン代表に就任。

----中泊町特産物直売所「ピュア」が農産物の6次産業化の拠点施設として新装オープンして1年が経過しました。管理者のお立場から、「ピュア」の魅力や特徴をご紹介ください。

 「ピュア」は、会員農家さんが生産した新鮮野菜や加工品を、会員自身が設定する安い価格で提供している産直施設です。特産のトマトを中心に、季節ごとに旬の野菜をとりそろえていますが、常に新しいもの、付加価値のあるものを作っていこうと新たな品種に取り組まれている会員も多く、珍しいものもそろっています。また春は山菜、秋はキノコと、全てこの近辺の山で採った新鮮な山の幸も販売しています。特に、長くて太いのが特長であるミズは、朝採りの新鮮さが好評で、午前中に売り切れてしまい、会員に電話をして昼にもう一度山に入ってもらうということもしばしばです。

 会員は、個人が210名ほどで、このほか、冬場はどうしても地元の野菜がなくなりますので、地元の企業などに団体会員になっていただき、全部で250ほどの個人・団体で構成されています。

----1年が経過して、感じている課題や今後の展開への抱負などをお聞かせください。

 以前の「ピュア」は販売だけでしたが、会員や住民の要望、また町の理解もあり、6次産業化を推進するため加工室を併設した形でピュアが建設されました。したがって、「ピュア」の成功が、地元農家の所得向上にもつながりますし、町の元気、活性化にもつながるということで、指定管理者である私どもの責任は非常に重いと感じています。民間のサービス業である当社が管理させていただくということは、売り上げを伸ばすための新たな対策、さまざまなアイデアを期待されているということだと思います。おかげさまで、昨年6月のオープン以来、売り上げは大幅に増加しており、昨年度は、年度途中ではありますが、1億円ほどの売り上げがありました。ほっとしている半面、新しい直売所ということでお客さんが大勢来てくれたこともあると思いますので、まだまだ伸ばすための知恵を絞っていかなければならないと気を引き締めています。具体的な目標としては2億円を掲げています。今は、指定管理という形で町から支援をいただいていますが、2億円になれば支援がなくても管理運営が可能です。なるべく早くこの数字を達成して、近い将来、独自で運営できる施設にしていきたいと考えています。

 売り上げ向上に向けて、今後は海産物の扱いも増やしていきたいと考えています。中泊町の一次産品としては、中里地域の農産物、小泊地域の海産物があるわけですが、まだ、海産物の扱いは少ないのが現状です。今は冷凍ものを中心に扱っていますが、朝獲れた新鮮なものを提供できるように、小泊地域の漁協や漁師さんとお話しして、少しでも多くこちらにも出荷してもらえるようにしていきたいと考えています。小泊地域にも下前地区に観光協会が運営している物産品直売所がありますので、そちらとの調整も必要ですが、中里地域の町民が新鮮な魚介類を購入できるようになれば、まだまだ売り上げは伸びると思います。

 また、新たな事業展開として、現在準備を進めているのが配送業務です。中泊町も高齢化が進んでおり、ほぼ1000世帯が独居あるいは夫婦とも高齢者という高齢世帯となっています。そこで、高齢で歩けない人、車の運転ができない人など、いわゆる買い物弱者の方々を対象とした配送業務は、ぜひ実現したいと考えています。電話などで申し込んでいただき、新鮮な野菜や加工品をお届けして、安否確認も行う。時には話し相手にもなって、お年寄りに元気になっていただく。また、地域連絡バスを利用して買い物に来られる方が多くいらっしゃいます。これは安いとはいえその都度運賃がかかるわけですから、私たちが配送を行うことで、その負担を軽減することもできます。配送によって「ピュア」の売り上げを増やすことで会員の皆さんの収入が増え、お年寄りに元気になっていただくことで、町が活性化し、それがまた売り上げにつながるかもしれない。そういうことで、株主のご理解をいただきながら、まずは試験的に始め、なるべく早く事業化したいと考えています。

■地元商工業者の出資で発足

----御社では、冠婚葬祭や各種イベントの企画運営などを手掛けていらっしゃいます。企業理念や、経営上、心掛けていることなどをお聞かせください。

 アクトプランは、中泊町総合文化センター「パルナス」ができたときに発足した会社です。それまでは町内に冠婚葬祭の会場となる施設がなく、特に結婚式はほとんど町外で行われていました。結婚式や葬儀などを地元で開催できれば、地元の関連業者の売り上げにつながります。こうした趣旨で、会場としての「パルナス」の建設であり、その運営を担当する会社としてアクトプランが創設されたわけです。ですから、当社の株主は、仕出し屋さん、酒屋さん、お菓子屋さん、クリーニング店など、全て地元の方々ばかりです。

 冠婚葬祭に限らず、講演会などさまざまなイベントも地元で開催することで、少しでも地元の商工業者が潤うように、という考え方で経営してきましたが、一番多い年で、ブライダルを含めて年間240件ほどのイベントを開催しています。月にならすと20件ぐらいですから、ほとんど毎日のように何らかの催事を行っていたことになります。たいへんですが、お客様の笑顔や、感謝の言葉をいただくと、また次の仕事もがんばれるんですね。

 最近、また、ブライダルの町外への流出が多くなってきております。これは、専門の結婚式場あるいは披露宴会場、新しい形式のチャペルスタイルが好まれているからではないでしょうか。私どもは、何らかの対策を講じなければと考えております。あくまでも主役である新郎・新婦の要望をよくお聞きして、その実現のために、私たちの提案を加えていくという形で進めています。

 例えば、花婿、花嫁さん、親族などによる屋外での行列、あるいは人力車などを利用して、広く町民の方々にお披露目をして祝福してもらうための屋外パレードなど、アクトプラン独自の形での企画を提案して、実現できるように努力して参りたいと思っております。そうすることにおいて、町民の方々のアクトプランへの認識度も変わるものと思います。

 また、現在、「ピュア」に隣接する「農村活性化施設」内に事務所を置かせてもらっていますが、この施設も200人ぐらい入れますので、ちょっとしたイベントや、また葬祭にも使えるスペースとなっています。町内の各集落には集会所がありますが、駐車場がないところが多いのです。こちらは広い駐車スペースもありますので、皆さんに活用いただけるようPRしていきたいと考えています。会社設立の趣旨にのっとり、私どもの株主である葬儀屋さん、仕出し屋さんなどをご紹介することもできますし、指定の業者さんがある場合は、もちろん貸し館だけでも対応します。ここで葬儀やイベントが行われれば、「ピュア」の売り上げにもつながると思いますので、アクトプランの冠婚葬祭、イベントと、「ピュア」の指定管理者としての業務を一体的に考え、相乗効果を生み出していければと考えています。

 当面は、目標である売り上げ倍増、そして買い物弱者支援の配送業務の実施に向けて努力していきます。また、アクトプランとしては、地域密着、お客様の満足をモットーに、独自のブライダル企画などを積極的に展開し、町民のみなさんに当社のことをもっと知っていただくことが大事だと考えています。当社の存在を知っていただくことにより、「ピュア」の配送業務もやりやすくなりますから、この両方に同時に取り組んでいかなければならないと考えています。