アートBOX

光と影の表現を追求

樋浦久子さん(八戸出身)

 東京・銀座の純画廊で4年ぶりに個展を開いた八戸市出身の樋浦久子さん(65)=東京都渋谷区。紙と鉛筆、色鉛筆のみを用いた静物のデッサン画など13点を展示した。

 パールの輝き、グラスの透明感など、モチーフの質感を鉛筆の濃淡だけで表現している。「白と黒でどこまで表現できるか、光と影をどう描けるかを追求しています」

 今回初めて西洋の古典名画の模写を出品した。「もう一度絵を勉強しよう。じっくり時間をかけてみよう」と取り組んだ結果、「絵ととことん向き合うことができました」と手応えを語った。

若い人に発表の場を

盛田文吾さん(七戸出身)

 七戸町出身の盛田文吾さん(41)は5年前、東京・代官山に「バッカスギャラリー ブン」を開いた。名前の通り、飲食できるほかに作品の展示スペースもある。「かしこまった感じでなく、ご飯を食べたりお酒を飲みながら、作品に触れられる場所をつくろうと考えた」という。

 自身も画家として、主に女性をモチーフとした絵を国内外のグループ展などに出品している。経験上、「若い人が作品を発表する場がなかなかない大変さを知っている」のもギャラリー開設の大きな動機。「展示する作品から刺激を受けることもある。絵は死ぬまで描きたいですね」

書道で自分を鍛える

齊藤舞音さん(藤崎在住)

 東京・六本木の国立新美術館で開かれた日本最大級の書道展「毎日書道展」で、毎日賞に輝いた齊藤舞音(まおん)(本名・弘子)さん(59)=藤崎町在住。弘前市内の幼稚園に勤務しながら、25年ほど前から「自分を鍛えよう」と書に向き合い続けてきた。

 受賞作は、漢詩からとった「胡天暁」の3文字を書いた力作。「全身を使って筆を動かす」と話す通り躍動感が目を引くが、筆跡には柔らかさも感じられる。「書道は全てが自分に任せられ、二度と同じ線は書けない。受賞作には、書ける喜びが表れている気がします」とほほ笑む。

秋に郷里でも作品展

北林小波さん(青森出身)

 イラストレーターの北林小波さん(55)=本名・鈴木美菜子、青森市出身、東京都新宿区在住=がこのほど、近くのブックカフェ「キャッツ・クレイドル」=早稲田鶴巻町=で5年ぶりの作品展を開いた。

 テーマは「Little creatures」(小さな生きもの)。カブトムシを持つ男の子や、チョウと戯れる女の子など、ほのぼのタッチのパステル画16点が並んだ。

 結婚を機に上京し約15年。以前したことがある絵本の仕事を「もう一度やりたい」という。秋には青森市でも作品展を予定。「ぜひ見に来てください」と笑顔を見せた。

4年ぶりに個展開催

田名部ひろしさん(八戸出身)

 日本美術家連盟とモダンアート協会の会員で、埼玉県東松山市在住の画家・田名部ひろしさん(79)=八戸市出身=がこのほど、東京・千代田区の山脇ギャラリーで4年ぶりに個展を開いた。

 タイトルは「絵とことばのあいだ」。田名部さんは長い間、「絵と詩を混在させる表現」を追求。展示した13点は、いずれもブルーを基調とした涼しげな作品で、宇宙空間や水、風を連想させ、ところどころに文字の一部や句読点を配し、独特の世界をつくり出している。

 「今度はもう少し単純化した形にし、また個展を開きたい」と意欲を語る。

こぎん刺しを未来に

貴田 洋子さん(大鰐出身)

 津軽こぎん刺し作家の貴田洋子さん=大鰐町出身、埼玉県所沢市在住=は、埼玉県立近代美術館(さいたま市)で開催中の「県展」(21日まで)に「ふるさと・あのころを舞う」を出品。おなじみのモチーフ「八咫烏(やたがらす)」が8羽、作品の中を自由に舞っている。

 同展と、日本現代工芸展、日展の3展覧会は「私にとって、作品そのものの向上と勉強の場であり、私自身が成長する場」と話す。

 「生活の中でこぎん刺しを生み出した津軽の先人がいるから、今の自分がある。先人と同じ思いで、こぎん刺しの美しさを守り、未来につなげたい」

躍動する流れ描きたい

鈴木實さん(十和田出身)

 十和田市出身の画家で日展会員、示現会常務理事の鈴木實さん(87)=東京都在住=が8日から13日まで、中央区日本橋のギャラリー白百合で「流れ・磯」展を開いた。

 会場に展示した作品は約30点。県内の風景が中心で、とりわけ奥入瀬渓流や深浦の海岸を描いた130号の大作4点は、水の流れや波の音が聞こえてきそうで、会場を訪れた人たちの目を引いた。

 「私が描くのは静かな川の流れではなく、暴れるような躍動する流れを描きたい。磯も人のいない冬の荒々しい波の勢いが、私には大事な要素なんです」

寺山作品に強い影響

成田朱希さん(七戸出身)

 3月中旬から4月初旬まで東京・日本橋の画廊で、自身3年ぶりの個展を開いた七戸町出身の成田朱希(あき)さん=千葉県佐倉市在住。「純粋であるがゆえの子どもの狂気を表現したかった」と話す通り、体を丸めて強烈な視線を送る少女の油彩画など計29点を並べた。

 創作の原点は七戸町で過ごした少女時代。漫画を描いたり映画を見たりしながら、幻想の世界を膨らませたという。中学生のころ寺山修司の作品を知り、強い影響を受けた。

 「七戸町での経験がなければ今の作品はなかった。静かな雪景色の中を歩くことで、ファンタジーをかき立てられた」

緑系の色使いが印象的

一ノ澤文夫さん(三沢高出身)

 三沢高校卒業生で練馬区在住の画家・一ノ澤文夫さん(63)は、自宅に近い区立美術館で9日まで妻の相良由紀さん(59)と二人展を開いた。夫婦とも自由美術協会会員。今回は2人で25点を出品した。

 緑系の色使いが印象的な一ノ澤さん。「サップ・グリーンが好きなんです。岩手県や青森県の自然に囲まれて生まれ育ったせいかな」と笑う。

 大きな縦長サイズ(219センチ×123センチ)の作品が多い。「完全な抽象画ではなくて、色彩・形・線を画面の中で動かしているうちに、有機体…ひとつの生き物になる。そんな世界を表現したい」

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