あおもり昆虫記
エゾゼミ

 蝦夷蝉。だからといって北海道だけにいるセミではない。青森県など本州はもちろん四国、九州、朝鮮半島にもいる。

 黒地に橙色の紋。さりげなく白い紋も。そして透明な羽。セミの中で最もダンディーと感じるのは、わたしだけだろうか。

 だから、子供のとき、エゾゼミにあこがれた。珍しくないのにあこがれた。捕虫網でアブラゼミを捕らえても十二分には嬉しいのだがエゾゼミほどではない。ニイニイゼミが網に入っても興奮はするのだがエゾゼミほどではない。ヒグラシも同様だった。でも、エゾゼミを捕まえると胸がときめいた。ダンディーなことが一番の理由だが、市街地にはいないことがときめき度を増幅させたのではないか、と今にして思う。また、大きいセミであることも心をときめかせた要因だったのかもしれない。

 エゾゼミは、マツ林や杉・ヒノキ林など針葉樹林に多い、とされているが、青森県では梵珠山や白神山地などのブナ林にも多い。写真は、梵珠山のブナ林で撮ったものだ。

 が、わたしは、このセミにはブナよりアカマツが似合う、と思う。七戸町の奥羽牧場。この牧場の中央を走る道路の両側に、見事なアカマツの並木がある。季節になると、アカマツに止まったエゾゼミが「ギー、ギー、ギー」と妙に乾いた声で鳴く。これがマッチしているのだ。アブラゼミのように集団で鳴くことはなく、単体で無く。孤高なセミ、という感じすらする。

 なぜ、アカマツとエゾゼミは合っていると感じるのだろう。アカマツはブナと違って、乾いて明るい場所に生えている。エゾゼミもセミの中で一番乾いた鳴き声。似た者同士だから合うのだろう。そう思うのはわたしだけかもしれないが…。

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