あおもり昆虫記
オスグロハバチ

 タデ食う虫も好き好き、という言葉があるように、虫が食べない植物は、まず無いんじゃないかな、と思う。猛毒のトリカブトだって好んで食べる虫がいる。昆虫ではないが、コアラが食べるユーカリの葉は毒を含んでいる。しかしコアラは平気だ。生物の適応の見事さに驚かずにはいられない。

 身近な例を挙げてみよう。スギナ。ツクシの葉だ。このスギナを食べる虫はあまり知られていない。毒でもないのに、スギナを好んで食べる虫はほとんどいない。でも、例外はどこの世界にもある。オスグロハバチやスギナハバチの幼虫は、このスギナを好んで食べるのだ。

 注意して家の周りのスギナを見ると、小さなハチがスギナにまとわりついているのを見つけることが出来る。普通にいるハチだが、スギナを食草にするのが面白くて、春になればつい、オスグロハバチやスギナハバチはいるかな、とスギナをのぞき込んでしまう。すると、必ずといっていいほどちゃんといて、わたしを安心させる。

 ところで、このハチを含め、ハバチ(葉蜂)の仲間は腰が太く、ずん胴だ。といっても分かりにくいかもしれないが、ミツバチやアシナガバチをはじめ、多くのハチは、胸と腹が管のように細い腰でつながっている。ハバチは管でつながっていないため、胸と腹が一体となっている感じがする。

 さらに面白いことに、普通のハチの雌は針(産卵管)を持っているが、ハバナには針が無い。その代わり雌のお尻には鋸のようなものがあり、それで植物に傷を付け、卵を産む。だから、ハバチの仲間は指でつまんでも刺さない。スズメバチや狩人バチが肉食主義とすれば、ハバチは菜食主義。植物を食べて育つせいかおとなしく、肉食バチのように猛々しくない。

 このオスグロハバチ、雄は真っ黒だが、雌は胸や腹がオレンジ色で美しい。写真は、オスグロハバチの雌だ。

 付け加えると、スギナは酸性土壌を好む。知っておくと便利だ。造成以来、1回も草取りをしていない我が家の庭にもスギナがはびこっている。我が家の庭も酸性土壌なのだろう。当然、オスグロハバチは庭の常連さんである。

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