あおもり昆虫記
ウラギンヒョウモン

 陰あれば陽あり、だ。

 ジャノメチョウの仲間は、薄暗いところを好んでゆらゆらと飛ぶ。これに対しヒョウモンチョウの仲間は、明るく開けた草原を颯爽と飛ぶ。見るからに爽やかだ。

 ヒョウモンとは動物の豹の毛皮の模様に見立てたもの。そういえば動物の豹も草原にすむ。偶然の一致とはいえ、なんだかおかしい。

 草原−とひとことで言うものの、近年の宅地開発などにより、草原らしい草原はずいぶん少なくなってきている。

 かつては、ヒョウモンチョウが飛び交う草原は、かなりあったものだが最近では岩木山麓、萱野高原(北八甲田)、奥羽牧場(七戸)などぐらいしかわたしは知らない。実際にはもっとあると思うが、あちこちにあまり足を運んでいないので分からない。

 ウラギンヒョウモンの幼虫の食草はスミレ類。母親のチョウは、コドモの将来を考えることはせず産卵する。あまり食草を確認することはさせず、さらに食草に近いかどうかに関係なく、草原の枯れ葉などに止まり、歩き回って腹の先っちょを枯れ葉などの下に深く差し込み一個ずつ産卵する。コドモにとって、迷惑このうえない話だが、それでも太古の昔からウラギンヒョウモンの種が途絶えていない、ということは、この産卵方法はそれなりに理にかなった方法だ、と思うのが自然だろう。浅知恵人間が心配してやることではないようだ。

 数多いヒョウモンチョウの種類のなかで、このウラギンヒョウモンが一番精気にあふれている、とわたしは思う。曇り空のときはあまり活動せず、晴れているときに飛び回るから、なおさらそう思うのかもしれない。

 すこし山手の広い草原を、風を切って力強く飛ぶ姿にはほれぼれする。

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