あおもり昆虫記
クモガタヒョウモン

 ヒョウモンチョウの仲間は、羽の表の模様がみんな動物の豹柄だから、表を見ただけではなかなか区別がつかない。

 このため、羽の裏の模様で区別するが、それとても、それぞれ随分似ており厄介だ。が、このクモガタヒョウモンだけは別。羽の裏はのっペりもやもやはっきりしない模様。こんな模様はこの種だけだからすぐ分かる。学者はこのもやもやを雲に見立てクモガタ(雲の形)と名付けた。困り果てた結果の命名との印象を受けるが、なかなか言い得て妙、の命名だと思う。

 ヒョウモンチョウの仲間は多いが、その中でもクモガタは一番早く現れる。青森県では、6月下旬辺りから見られるが、数はあまり多くない。7月上旬までいるが、なぜか真夏に姿は消え、8月下旬ごろから再び姿を見せる。

 ヒョウモンチョウの仲間の中では羽が細めで、スマートな印象を受ける。緑はつらつとした初夏、渓流沿いの花を上でみるこのチョウは、なんだか優美に見える。

 秋に見る姿は羽がポロポロだ。どうやら、初夏に羽化したクモガタは暑い夏を寝てやり過ごし、涼しくなったら再び活動を始めるらしいのだ。ヒョウモンチョウの仲間は、この“夏眠”という習性をもっている、といわれる。だが、どんなところで寝ているのだろうか。多分、涼しい林の、木の割れ目などに潜り込んでじっとしているのだと思うが、わたしはその“現場”を見たことがない。

 それにしてもいい身分だ。動くのも嫌な夏をただ寝て過ごすなんて。わたしもあやかりたいものだ。

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タテハチョウの仲間 | あおもり昆虫記インデックス

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