あおもり昆虫記
ヒロバネヒナバッタ

 夏の日中。太陽は高い。黙っていても汗がだらだら吹き出る。そんなとき、草むらからシリシリシリ…と虫の鳴き声が聞こえてくる。人里や山地の草むらから。

 ヒロバネヒナバッタだ。

 夏だなあ。

 そんな気持ちにさせてくれる。セミの鳴き声とともに日本の夏の“声”といってもよいかもしれない。もっとも、虫が好きな人でなければ、その声は聞こえないかもしれないが…。

 キリギリスやコオロギは鳴くとき、羽と羽をこすりあわせ美しい音を奏でる。が、バッタは、前羽と後ろ足をこすりつけて音を出す。

 羽と羽、もしくは羽と足との摩擦から音を出すため、「鳴く」という表現は不適切だ。また「声」もおかしい。厳密にいうと「音」か。でもここでは、そんな小難しいことをいうのはやめ、鳴き声にしておく。

 キリギリスなどと違い、シリシリシリ…、シュルシュルシュル…という声を頼りに探すとすぐ見つかる。草むらのほか、地面の上や石の上など隠れるものがない所でも鳴いている。体の色が地面や枯れ草の色と似ているため、保護色といえなくもない。保護色に過剰な自信を持っているため、姿をさらしているのだろうか。

 目につきやすいため、昆虫少年の虫かごの中を見ると、必ずといっていいほど、このバッタが入っている。子供たちのいい遊び相手、おもちゃである。

>>写真はこちら

バッタの仲間 | あおもり昆虫記インデックス

HOME