あおもり昆虫記
オンブバッタ

 俗にノミの夫婦といわれるカップルがある。父ちゃんより母ちゃんの方が体格のよい夫婦のことだ。

 ノミに限らず、昆虫の世界では雌が雄より体が大きいのは一般的だ。

 このオンブバッタもそうだ。上に乗っている小さいのが雄、下の大きいのが雌だ。雌は頭の先端から羽の先端まで約25mm、雌は約45mm。雌は雄のほぼ2倍の大きさだ。その姿はユーモラスで、わたしは子供のころから面白がってきた。夫婦というより親子といったほうがぴったりだ。

 バッタの仲間で交尾の姿がよく見られるのはコバネイナゴだが、オンブバッタはそれより印象度が強い。なぜだろう、と思っていたが、二つの理由があることが分かった。

 一つ目は、オンブバッタの最盛期が他のバッタより遅いため、その姿が目立つこと。

 二つ目は、交尾そのものが長いこと。愛の交歓は延々数時間から10時間も続くというから、小柄な雄には過酷だ。

 三つ目は、交尾をしないのに雄がただ雌の背中に乗っている時間が長いこと。バッタの仲間の雄は、オンブバッタに限らずトノサマバッタ、フキバッタ、イナゴなど交尾をしていないのに雌の背中にただ乗っていることがある。しかしオンブバッタの場合、乗っている時間が他のバッタよりはるかに長いため“おんぶ”の印象が強い。それにしても、ただ乗りだなんて雄はいいご身分だ。過酷な交尾の代償なのだろうか。

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