あおもり昆虫記
クチナガガガンボ

 ガガンポは一見、SFX超巨大蚊のように見える。虫を知らない人は、ガガンボを見ると「うひゃ−、蚊のお化けだ。刺されたら大変だ」と大騒ぎぎする。だが「大蚊」という字が当てられているガガンボは、人を刺すことはない。ご安心を。

 もっとも、安心できるのは日本だけ。かつて、シベリアの自然を紹介したテレビ番組を見ていたら、日本のガガンボみたいにでかいカが大群となって人を襲う場面が登場し、見ているだけで怖くなってしまった。

 なぜガガンボという面妖意味不可解な名前が付いたのだろうか。「カ(蚊)ガ(の)ポ(母)」あるいは「カ(蚊)ガン(の)ポ(母)」から転じた名という説がある。大きくて蚊の母−という意味だ。が、実際は蚊の母ではない。

 ガガンボは、薄暗い雑木林などにいる。足がやたらめったら長く、体もでかい。その割に羽が貧弱なため、飛んでもスピードは出ない。情けなくふわふわ飛んでいるだけだ。人の手で簡単に捕まえられるほど、のんびりしている。手で捕まえると、必ずといっていいほど、やたらに長い足の2−3本はもげて手の中に残る。

 ガガンボの種類は多いのだが、どれも似たような羽の模様をしている。区別がつかない。しかし、学者や昆虫愛好家には人気のない虫のようで、ガガンボ図鑑というものは無い。まあ、あっても売れるわけがなく、出版社は赤字だと思う。というわけで、ガガンボの同定は難しい。

 しかし、似たものが多いガガンボの仲間の中でも、このクチナガガガンポ(口長大蚊)は変わり種だ。見ただけですぐ分かる数少ないガガンボだ。秋にアザミの花に複数集まり、長い口で蜜を吸うが、そのとき長い足で屈伸運動をしながら吸うのだ。この運動で長い口を操作するのだろうが、実にユーモラス。何匹も集まって屈伸運動をしているのを遠くから見ると、花がもこもこ動いているように見え、面白い。

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