あおもり昆虫記
シオヤアブ

 夏。地面には太陽がジリジリ照りつける。すべてが焼けるように熱い。そんなとき、草の上や地面にじっと止まり、獲物を待ち伏せているシオヤアブの姿が目につく。いかにも精悍な姿をしている。獲物を待ち伏せしている姿からは、オーラがほとばしる。と書くと大げさだが、まあ、それに近い印象を受ける。

 暑さですべての生物の動きが鈍っているとき、このシオヤアブは暑さをものともせず、俊敏に飛ぶ。まったくたくましい。

 シオヤアブは、ムシヒキアブの仲間に属する。他の虫を捕らえ、生き血を吸っている姿を“虫を引いている”姿にたとえ名付けられたものだ。つまり、ムシヒキアブは狩りの名人である。

 その中でもシオヤアブは横綱級だ。体が大きいから、その狩りが目立つのだ。コガネムシ、カメムシ、ハエなど小さな昆虫を太い脚で抱きかかえ、体液(血)をチューチュー吸っている姿をよくみかける。なんてったって、尾っぼの白い毛が印象的。この毛を塩に見立てて塩屋虻の名がついた。

 カメムシ、ハエなどちいさな昆虫を捕らえるのは朝飯前。何倍も体が大きいコガタスズメバチを捕らえて吸血したり、果てはセミを捕らえた観察例も報告されているからすごい。スズメバチを襲って返り討ちにあうのでは…と考えないのだろうか。恐れを知らぬアブである。

 幼虫もなかなか獰猛だ。腐食質に富んだ土の中で暮らし、コガネムシの幼虫がとくにお気に入りとか。幼虫1匹でコガネムシの幼虫60匹を攻撃した報告例もあるほどだ。子供のときから狩りの腕を磨いているのである。

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