| 2002年9月13日(金) |
青森市にある国の特別史跡三内丸山遺跡で、昨年度発掘された環状配石墓七基(縄文中期半ば、約四千五百年前)のうち三基の一部が、公園整備工事により誤って壊されていたことが十三日、明らかになった。排水管を設置する溝を掘削する際、環状配石墓の円周部分にある石が掘り上げられ、配置が崩れたもので同日、県が発表した。文化庁は「知っている限り、国史跡が損傷を受けた例は聞いたことがない」と話している。環状配石墓の損傷が確認されたのは八月二十六日。県教育庁文化財保護課三内丸山遺跡対策室の担当職員が遺跡内を見回ったところ、土中の土のうと環状配石墓の一部が掘り上げられていることに気づいた。業者は同日、工事を中止した。 文化財保護課によると、業者は同二十五日、遺跡内を南北に走る通称「墓の道」の西側に排水管設置のため幅七十センチ、深さ七十センチ、長さ百二十メートルにわたり重機で土を掘削した。そのうち、約十五メートルにわたり環状配石墓の遺構に当たった。 環状配石墓は一基の直径が約四メートルで、昨年の発掘調査終了後、同課が周囲に土のうを置いて砂をかぶせ、その上に県土整備部都市公園事務所が覆土した。通常、遺構上の覆土は一メートル程度とされるが、現場は斜面に近い上、起伏があったことなどから、覆土が部分的に約七十センチと浅くなっていたとみられる。 業者は工事実施について県側に連絡しなかったため、立ち会い確認が行われなかった。また実施されたのは発掘調査のない日曜日だった。 同課は九月初め、文化庁に遺跡損傷の経緯について報告、「環状配石墓の石自体は割れていないようだが、最大十個程度、掘り上げられたとみられる。今後は、文化庁の指示を受けながら可能な限り遺跡を復元したい」と話している。 同事務所の藤本正雄所長は「重機を扱った業者は環状配石墓まで深さが一メートルあると思い込んでいた。今後は特別史跡だという認識を持ち、再発のないよう万全の対策を講じたい」と話している。 同課と同事務所は今後、週一回、業者を交えて会議を開くほか、掘削時には職員を立ち会わせるなど再発防止の徹底を図ることにしている。 ※写真は約70センチほど掘り下げられた溝。環状配石墓の石が最大10個程度、掘り上げられたとみられる |