| 2002年4月2日(火) |
日本原燃六ケ所ウラン濃縮工場で、相次ぐ遠心分離機の故障のため二〇〇〇年四月から運転を計画停止している生産ラインRA−1Aに加え、RA−1Bにも停止の可能性が出てきた。1Bの遠心分離機の停止台数が三千五百台を超え、原燃が1Aの一部生産停止を決めた段階の停止台数に近づいてきたためだ。 原燃は三月二十六日、1Aをライン停止に追い込んだ遠心機故障の原因を国へ報告したが、故障した遠心機は原則として修理しない方針。1Bは来年度の操業計画に組み込まれているが、仮に二ラインが停止した場合、同工場が電力会社が求めるウラン燃料の生産態勢を維持できるのか、関係者から疑問の声が出ている。 六ケ所ウラン工場は七本の生産ラインを持ち、生産規模は千五十トンSWU(分離作業単位)。各ラインの生産規模は百五十トンSWUで、1Aだけが生産を停止している。各ラインには多数の遠心機を連結したカスケードと呼ばれるユニットが複数あるが、原燃は遠心機やカスケードの数を公表していない。昨年十二月末現在の同工場の遠心機総停止台数は一万千二百三十六台に上っている。 1Aは一九九二年に運転を開始したが、九四年から遠心機の故障停止が頻発。原燃は「電力会社が求めるウラン濃縮度を維持できないおそれがある」として九九年四月に一部カスケードの運転停止を発表したが、この段階で故障した遠心機は三千六百台を上回っていた。その後も運転中の他のカスケードでは遠心機の故障停止が続き、二〇〇〇年四月に1Aの全面運転停止が決まった時点での故障停止台数は計四千二百四十四台に上った。 一方、1Aと同時期に運転を開始した1Bの故障停止台数は昨年十二月末で三千五百五十台と、原燃が1Aの一部カスケード停止を決めた際の台数にほぼ並んだ。原燃は1Bの運転停止について「停止台数や電力会社が求めるウラン燃料の濃縮度などを勘案して検討する」と話し、計画停止の可能性を否定しない。 原燃の故障原因調査結果では、1Aの遠心機の生産過程における薬品洗浄が不十分だったことなどから遠心機の底部にウラン化合物が局所的に付着、遠心機の回転に不具合が生じたのが故障の一因と推測。1Aの全遠心機と1Bの初期製造分までは不十分な洗浄方法だったが、その後洗浄方法を改善したとしている。 1Aに続き1Bも計画停止の可能性が高まっていることについて原燃は「カスケードのうち故障停止した遠心機は修理しないが、健全な遠心機に付着化合物を取り除くなどの運転長期化対策を施し、運転再開・継続は可能」と言う。しかしこの場合、単独ラインでは低濃縮度のウラン燃料となるため、高濃度燃料を求める傾向が強まっている電力会社のニーズに応じるのは難しい。仮に両ラインが停止した場合、電力会社の燃料需要に応じた生産態勢が取れるかどうかは「仮定の話で、答えられない」と話す。 六ケ所ウラン濃縮工場の濃縮料金は海外の数倍とされる。このため関係者からは「生産ラインの停止は、電力会社がコストの高い同工場のウラン燃料を使わず、安い海外産にシフトする口実になる」と同工場の存在意義を疑問視する見方も出ている。これに対し原燃は「日本の濃縮技術は世界トップレベル。将来のエネルギー安定確保のために新型遠心機の開発を含めた濃縮事業の継続は必要」と話している。(政経部・若松清巳) |