| 2002年3月16日(土) |
ウラン濃縮工場事業許可取り消し訴訟で十五日、国側全面勝訴の判決を下した青森地裁の山崎勉裁判長は判決文の中で、原子力施設をめぐる国の安全審査に対し「制度の抜本的な見直しが検討され、新たな制度の実現が望まれる」と注文を付けた。 訴訟で核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団(代表・浅石紘爾弁護士)は、同工場の事業許可をめぐる国の安全審査について「一九九九年の茨城県東海村臨界事故は安全審査で起き得ないとされていた」と主張、安全審査の不備を訴えていた。判決文で山崎裁判長は同事故について「安全審査の対象とならない作業工程の不順守が原因」として、安全審査に過誤はないとの判断を示した。 一方で裁判長は「悲惨な臨界事故が再発しないよう万全な防止対策を講じるのは当然」と強調。技術的には起こり得なくても、ずさんな現場管理が原因で起き得る臨界事故も事前に審査する制度が望ましいと指摘した。 国の原子力安全委員会が近く決定する予定のMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料工場の安全審査指針では、技術的に臨界事故が起こり得ない施設でも、念のため仮想的に臨界事故が発生した場合の安全性評価を求める方向。裁判長の指摘はこの考えをくんだものといえそうだ。 |