2002年3月15日(金) 東奥日報 ニュース


■ ウラン濃縮訴訟で原告団控訴決定

 六ケ所村の日本原燃ウラン濃縮工場をめぐる国を相手取った行政訴訟で、青森地裁から全面敗訴の判決を受けた核燃サイクル一万人訴訟原告団(代表・浅石紘爾弁護士)は十五日、判決後の集会で対応を協議し、控訴することを決めた。浅石代表は「控訴を求める声が圧倒的だった」と述べ、期限の二十九日までに控訴手続きを取る意向を示した。一方、国側の杉浦好之原子力安全・保安院訟務室長は「妥当な判決」と述べ、残る再処理工場など三件の訴訟についても自信をのぞかせた。

 集会に先立ち青森市の県火災共済会館で会見した浅石代表は「不当判決に強く抗議する。行政のチェック機能を失った裁判は、裁判の自殺以外の何ものでもない」と厳しく批判。「まだ再処理工場を含む三つの裁判を抱えている。次の裁判に全力を尽くす」と語った。

 原告団の弁護団は、地震、航空機対策、臨界管理などについて「国側に都合の悪いところは判断を示していない」「安全だと認めたものではなく、国の審査はここまでやればいい−ということを認めたにすぎない」と指摘した。

 原告団の平野良一・核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会代表も「国が安全だと言っているから文句を言うな、との判決としか思えない。前時代的判決で怒りに燃えている」と無念の思いを込めた。

 一方、杉浦訟務室長は県庁内で会見し「国の主張を基本的に認めてもらった妥当な判決。今後とも安全確保に一層の徹底を期していく」との望月晴文・同院次長名の談話を淡々と読み上げた。

 残りの訴訟についても「国側が従来主張し、今回示された司法判断の枠組みは極めて妥当だ。予断になるが、同じような枠組みで判断いただけるのではないかと推測している」と見通しを語った。

 六ケ所村と横浜町の居住者しか認めなかった原告適格については「社会通念上の範囲内で判断をしたと考える。ウラン濃縮施設は潜在的危険が少ないという国側主張の基本線は認めてもらった」とコメントした。

 一方、六ケ所村の四十代の会社員は「ウラン濃縮工場はとっくに操業中だし、それ以外の施設も建設が進んでいる」と、核燃施設との共存が進む中で裁判への関心自体が薄れつつあるようだった。

 半面、青森市の五十代の女性公務員は「反対の人たちが納得していないのなら、引き続き安全性について検証していく必要があると思う」と話していた。


>>戻る

HOME