2001年11月5日(月) 東奥日報 ニュース


■ ITERで県が自民へ経費試算提示

 ITER(国際熱核融合実験炉)の本県誘致を目指す県は五日、県議会自民党会派の議員総会で、県が無償提供の方針を示している建設用地確保に約八十億−八十四億円、研究者の居住環境を整備する「レイクサイドビレッジ構想」に百七十億円程度の経費が必要との試算を初めて示した。また、施設運転用の高圧送電線敷設費とは別に、ITER建設時に必要な送電線の敷設費の一部を県が負担する、と国へ回答していたことを明らかにした。議員からは県のこれまでの説明不足を批判する意見が相次いだ。

 県商工観光労働部の蝦名武部長は研究者の居住環境整備費について、約六百戸の住宅建設を想定したと説明。「民間開発業者が整備主体となることが可能」と述べ、費用負担は誘致決定後に国や県、村など関係機関で協議する考えを示した。また建設用地七十ヘクタールの確保に必要な経費は、すべて県が購入すれば八十四億円、一部賃借の場合は七十九億五千万円となるが、蝦名部長は「安くならないか、土地を所有する新むつ小川原会社と協議を進める」と述べた。

 蝦名部長はこのほか、ITER誘致に伴う県経済への波及効果は一兆二千百二十七億円、雇用効果は延べ十万三千人以上となる一方、国や県、研究主体などの投資額は一兆二千六百七十億円に上るとの試算を提示したが、県の財政負担の総額は明示しなかった。

 一方、施設運転に必要な高圧送電線の敷設に伴う県の財政的支援については「東北電力の試算では百二十億−百五十億円の経費を要する」と述べた上で「額が確定し、電気事業者との負担割合の協議が詰まれば説明する考えだったが、説明が遅れたことをおわびする」と陳謝した。

 議員からは「公に議論すべきだった。なぜ隠すようなことをするのか」「早めに県議会へ説明するべきだった。県は後手に回っている」などの意見が出たが、財政的支援自体に反対する意見は出なかった。

 蝦名部長は議員総会後、施設建設に必要な送電線敷設費に対する県の財政負担は、現段階で六割程度、約一億二千万円になるとの見通しを示した。また、財政的支援に関する国側の問い合わせに対し、県は九月上旬、建設用送電線は県が責任を持って対応し、運転用送電線は県と電気事業者で対応できると考える−と文書で回答していたことを明らかにした。


>>戻る

HOME