2001年10月20日(土) 東奥日報 ニュース


■ ITER誘致財政支援で議会に戸惑い

 六ケ所村へのITER(国際熱核融合実験炉)誘致に関連し、県が高圧送電線建設費を財政支援する意向を国に伝えていたことが表面化した十九日、県議会各会派に戸惑いや不信感が広がった。最大会派・自民党は「地元負担については聞いていない」としつつも誘致に全力を挙げる考えだが、他会派は県に詳細な説明を求める構えだ。

 自民党県連幹事長の山内和夫県議は、誘致を争う茨城県那珂町に比べて「六ケ所村に誘致するには経費面で百億円以上の差があると聞いていたが、負担額については聞いていない」と説明した。ただ、全体経費に対して決して大きい額ではないとの見解を示し「国に負担を求める」と話した。

 政風会の須藤健夫幹事長は「送電線設置費用や県の財政負担について、県からの説明は一切なく驚いている。全体として地元負担がどれだけ必要か示しながら、県民の理解を求めるべき」と県の対応を求めた。公明党の上村武之助県議も誘致賛成としながら「県議会が賛成しているからといって、負担額が大きくなってもいいということとは違う」とくぎを刺した。

 一方、社民・農県民連の渡辺英彦代表は「説明がない点など、冬季アジア大会の構図と似ており、開かれた県政から程遠い密室性を感じる」と話した。共産党の高橋千鶴子県議は「県の担当者に直接聞いた時にはITER事業主体が全額負担すると断言していたが、まったくのうそだったことになる」と不信感をあらわにした。

 無所属の鹿内博県議は、国から直接資料を入手した上で「県議会でも、地元負担が議論の的だったが、県は一切額を示さなかった。その一方で、国に支援の意向を示しており、手順が逆だ」と批判。送電線以外の負担増の可能性を指摘し「ITER計画の全般にわたって、県の説明を求める」と徹底追及の構えを示した。

 蝦名武県商工観光労働部長は、高圧送電線建設費に百数十億円がかかることを認めたが「誘致提案書では、電力確保について全面的に支援する−としており、財政面の支援も含んでいる」と、議会に説明済みとの認識。議会の受け止め方とはかなりの温度差がある。


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