2001年10月19日(金) 東奥日報 ニュース


■ ITER送電線 県が177億支援の意向

 六ケ所村・むつ小川原開発地域へのITER(国際熱核融合実験炉)誘致を目指す県が、実験に必要な高圧送電線建設費について財政支援する用意がある、と国に伝えていたことが、十八日の文部科学省専門家会合で明らかになった。国の試算によると、国費負担を除いた建設費は約百七十七億円に上り、県の財政支援は相当程度必要になる見込みだ。国内三候補地による激しい誘致合戦を勝ち抜くためとはいえ、県民への説明を欠いたまま、膨大な財政負担をのむ意向を伝えていたことは、今後論議を呼びそうだ。

 同日の専門家会合で六ケ所村は「候補地としての十分な適正を有する」との総合評価を得た。その理由として同会合は「用地の無償提供や高圧送電線の整備についても、青森県が財政的支援を行うとしており、地元自治体の貢献策として評価できる」ことを挙げ、評価上の大きなポイントになっている。

 専門家会合の報告書に盛られた国内三候補地の整備コスト比較表によると、送電設備工事は、既存設備を利用できる茨城県那珂町が二十億円。これに対し六ケ所村は総額二百十二億円に上り、国が負担する三十五億円を差し引いた百七十七億円については、県が財政的な支援を含めて建設に責任を持つことになる。

 国側の試算について、県商工観光労働部の蝦名武部長は「実際は百億円から百二十億円程度と、もっと安くなるはず。東北電力と負担割合について協議している」と説明した。木村守男知事は「そこまで私が言うべき立場にない」とコメントを避けた。

 送電線の財政負担をめぐる県の意向が明らかになったのは初めてのことだ。七月二十七日の国への誘致提案書提出前に開催した県議会全員協議会で県側は、用地の無償提供については説明したが、送電線については「所要の電力量が確保されるよう、関係方面と協議しながら、県が全面的に支援する」と説明するにとどまり、具体的な負担には触れなかった。

 核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会の平野良一代表は「送電線コスト負担の問題は全く初耳。県民の了解も得ずに誘致を進めることは将来に禍根を残す」と批判している。

 蝦名部長は県費負担について「本県誘致が決まったら具体的な金額を説明するが、膨大な負担になれば誘致辞退もあり得る」と話している。


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