2001年8月22日(水) 東奥日報 ニュース


■ 県ITER誘致要望書の内容判明

 ITER(国際熱核融合実験炉)の六ケ所村への誘致で、県が関係者以外に公表していない国への誘致要望書の内容が二十一日までに分かった。国が示す候補地の評価項目に沿い本県の状況を説明しているが、ITERに必要な電力確保や土地造成の状況などでライバルの茨城県に遅れがみられる。一方で、建設に必要な重量資材の運搬体制や低レベル放射性廃棄物の地元処分の方針など、本県が優位な項目も少なくない。誘致要望書を見る限り、候補地選定をめぐる有利不利は明らかでない状況だ。

 ITER誘致では本県を含め茨城県(那珂町)、北海道(苫小牧市)の三カ所が七月二十七日に文部科学省へ誘致提案書を提出。本県は提案書を公表しない理由として「他の候補地に対し本県の状況を知らせないため」と説明している。

 本紙が入手した本県と茨城県の提案書で各評価項目を比較すると、建設と運転に必要な高圧送電線二回線の確保では、本県は東北電力の変電所から敷設可能とするにとどまっている。茨城県は候補地に隣接する日本原子力研究所那珂研究所の受電設備が利用でき、新たな送電線敷設の必要がないことを説明している。

 また、建設候補地の造成は、本県が基本設計や工事で約一年八カ月を見込んでいるのに対し、茨城県の候補地はすでに造成済みか造成が不要だ。

 一方、重量資材の運搬では、六百トンの重量に耐える道路整備のため、茨城県では橋りょう二カ所の補強が必要。本県は港から候補地まで約一キロの既存道に「支障となる跨(こ)線橋や橋りょうは存在しない」ため、輸送は容易と強調している。

 さらに低レベル放射性廃棄物の地元処分を含む地元の協力についても、本県は県内処分を明記。ところが茨城県は、東海村の原子力関連施設で廃棄物処理が行われていることから、住民の理解が得られる−とするにとどまっている。


>>戻る

HOME