| 2001年7月5日(木) |
日本・中国先史時代遺跡共同調査実行委員会(事務局・東奥日報社)はいよいよ中国内モンゴル自治区に眠る興隆溝(こうりゅうこう)遺跡の日中共同調査に着手する。今月上旬に迫った発掘調査開始を前に、調査団に参加する県教委、青森市教委の職員が四日、青森市の三内丸山遺跡で初期調査で最大の“武器”となる最新測量機器の研修を行った。今年の調査期間は七−九月の三カ月で、日本側調査団は三回に分けて現地入りする。今月上旬に予定されている発掘調査開始には、日本側から同対策室の岡田康博主幹、中国側は計画責任者の王巍同研究所副所長、現場リーダーの劉国祥副研究員が立ち会い、重点発掘個所や測量方法などについて確認する。 計画によると、調査は三年間。約七千年前の集落とみられる興隆溝で(1)農耕は行われていたのか(2)ブタなどの家畜は存在したのか−の解明が主要テーマとなる。最終的には、三内丸山など北日本の縄文遺跡との文化的関連性、つまり「縄文のルーツ」を探る狙いがある。中国東北部の発掘調査に海外の研究チームが直接かかわるのは戦後初めてとなる。 この日、最新測量機器の研修したのは、県教委三内丸山遺跡対策室と市教委文化財課の職員四人。測量機器は「パワーGPS」と呼ばれる機種で、人工衛星を利用することで瞬時に座標を割り出し、その場で図化できるのが特徴。 考古学研究では最先端をいく三内丸山でも使っていない最新モデルで、従来の機器に比べて気象に左右されず、しかも広範囲の測量を一人でできるという。同市の西衡器製作所の協力で測量機器メーカーのソキア(本社・東京)が無償提供することになった。 今回の共同調査では、パートナーとなる中国社会科学院考古研究所が主に発掘を担当。日本側は得意のハイテク技術を生かし、出土遺物の科学分析などを行うが、最新の測量技術から得られる精密な座標と図は今後調査を進めていく上で重要な基礎資料となる。それだけにこの日、団員たちはメーカーの指導員らの説明を熱心に聞いていた。 ※写真はパワーGPSと呼ばれる最新の測量機器の研修を受ける調査団員(左の2人) |