| 2001年5月27日(日) |
青森市の国特別史跡三内丸山遺跡から出土した人骨を分析した結果、縄文時代前期(五千五百−五千年前)の食生活は、クリやクルミなどの植物に大きく依存し、海辺の集落にもかかわらず魚介類をあまり食べていない可能性が高いことが二十六日、県教委三内丸山対策室の調べで分かった。木柱などの遺物からクリを食べていたと推測されていたが、骨の分析は、それを積極的に証明する結果となった。分析した人骨は一九九四年、北の谷から出土した大腿(たい)骨と頚(けい)骨の小片で、縄文前期のもの。 骨からタンパク質であるコラーゲンを抽出し、食べ物によって、その中に含まれる炭素と窒素の同位体比率が異なることに着目した分析方法を用いた。 それによって分かる食べ物の別はクリ・ドングリ・イモなどの植物、ヒエやアワなどの雑穀類、魚介類、海獣、陸上動物の五種類。 その結果、二つの骨からはクリやドングリなどの植物に大きく依存していたことが分かった。その依存度の高さは、海のない日本内陸の縄文遺跡に匹敵するという。 同室は「前期はヒエ、アワの栽培技術が確立していないために、この骨からはほとんど出てこないが、中期以降の骨を分析することで三内丸山における縄文人の食生活の実態と変化を知る手掛かりになる」と話す。 また二つの骨のうち、女性とみられる骨は食生活のほとんどを植物に依存し、男性とみられる骨は魚介類をいくらか食べているという違いがあることも分かった。 分析に当たった北海道大学大学院・南川雅男教授(水産学博士)は「分析したのが二点と少なく、コラーゲンの抽出量も少なかった。クリへの依存度の高さ、性別による食生活の違いなど、まだ可能性が高いという段階だが、今後、調査する骨の数を増やしていくことで、よりはっきりしてくるだろう」と話している。 この調査結果は三十日から遺跡展示室で始まる企画展「縄文文化の扉を開く」で展示される。 ※写真は分析に使われた三内丸山遺跡の北の谷から出土した人骨。コラーゲンを抽出して縄文時代前期の食生活について調査した |