2000年10月18日(水) 東奥日報 ニュース


■ 是川遺跡から縄文の朱塗りつぼ

写真  八戸遺跡調査会(市川金丸会長)が発掘を進めている八戸市是川の是川中居遺跡・長田沢地区で十七日までに、縄文晩期中ごろ(約二千五百−二千六百年前)のものとみられる、極めて保存状態が良い朱塗りのつぼが出土した。同地区では漆をこしたとみられる布や漆が入った鉢、朱塗りの木製腕輪など、漆に関する遺物が相次いで出土しており、当時の作業工程を知る上で貴重な手掛かりになると注目される。

 つぼは深さ約四メートルのクルミを大量に含む泥炭層から出土した。直径約二十センチ、復元すれば高さは約三十センチ以上に達するとみられ、首から上の部分は胴部の横に埋まっていた。入り組み文と呼ばれる晩期中ごろ特有の文様が胴部全体を覆っている。

 朱塗りの土器は同遺跡はじめ各地で出土しているが、今回見つかったつぼは、土器そのものは壊れているものの表面はほとんど傷んでおらず「全国的に見ても保存状態が良い。明るい色合いといい、是川を象徴する出土品」(市教委文化課)。水を大量に含む泥炭層によって保護されたとみられる。

 長田沢地区では今年の発掘で、漆の作業にかかわる遺物が相次いで出土している。このつぼは保存状態が極めて良いことから、漆製品の製造工程について貴重な資料となりそうだ。また約百五十メートル南側にある中居地区では漆製品だけが出土、土器などの捨て場の利用法や漆に関する作業環境についても新たな手掛かりが得られると期待される。

※写真は是川中居遺跡・長田沢地区で出土した朱塗りのつぼ。朱色と泥炭のコントラストが鮮やかだ



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