2000年9月12日(火) 東奥日報 ニュース


是川遺跡の柱は長さ2.4m以上
液晶産業構想推進で連絡会議設立
PRセンターのウラン鉱石で論議


■ 是川遺跡の柱は長さ2.4m以上

写真  八戸市教委が調査を進めている同市是川の是川中居遺跡・中居地区で出土した、約三千年前の祭祀(さいし)用施設の柱とみられる木製品は、長さが二・四メートル以上あることが十一日分かった。また同遺跡で過去に同じ形の木製品が出土していたことも明らかになった。

 柱はこれまでの調査で約一メートルが出土していたが、十一日の発掘で二・四メートルまでの部分が姿を現した。端から約七十センチの部分と約一・八メートルの部分が環状に削られており、また端から約五十センチが焦げている。全長はまだ分からないが、さらに柱の周囲を掘るためには発掘区域そのものを拡張する必要があるため、同市教委文化課は慎重に作業を進めることにしている。

 一方、同遺跡では過去にも似た形の木製品が出土していたことが明らかになった。長さは約一メートルで、やはり先端がY字状に加工され、端から三十センチほどの部分がくびれている。大正時代の発掘で見つかったらしいが年月日や場所、出土状況は全く分からず、「これまで柱という認識で見られたこともなかった」(同市教委文化課)という。このほか、この木製品に乗る形の、梁(はり)に似た長さ一・五メートルの木製品も出土している。ともにクリ材で同市縄文学習館に保管されている。

 県内では縄文晩期の住居跡は浪岡町源常平遺跡や南郷村右エ門次郎窪遺跡、弘前市大森勝山遺跡で見つかっているものの、出土例が少なく、特に特殊な建物の構造は詳しく分かっていない。

 是川中居遺跡で祭祀用施設の柱とみられる木製品が複数、出土したことで、さらに遺構や遺物からこの時期の住居の手掛かりが得られると期待を集めている。

※写真は長さが2.4メートル以上あることが分かった、是川中居遺跡の祭祀用施設の柱とみられる木製品



■ 液晶産業構想推進で連絡会議設立

 むつ小川原地域に液晶関連産業の集積を目指すクリスタルバレイ構想を推進するため県は十一日、全部局にまたがる「クリスタルバレイ構想推進庁内連絡会議」を設立した。来春、一部操業となる立地企業の支援を図るとともに、新たな企業誘致を目指し道路や水道、住居などのインフラ整備、雇用の確保策などを全庁挙げて進める。

 連絡会議には二十四課・室の担当者が出席した。山口柾義副知事は「意見交換の場ではなく、問題解決のための会議。各部局ともこれまでの事情やいきさつはあるだろうが、構想実現を最優先に考えてほしい」と述べ、庁内一丸となった取り組みを求めた。

 商工観光労働部は構想実現の課題として(1)ワンルームマンションなど若者を中心とする従業員の居住施設整備(2)平沼地区の国道338号拡幅など交通アクセス整備(3)安い工業用水の供給(4)世界的に不足している液晶関連技術者の養成センター設置(5)光ファイバー網をはじめとする情報インフラ整備−などを挙げた。

 特に、立地第一号企業「エーアイエス」の来春の一部操業に合わせて、理科系学生を中心とした約二百五十人の従業員の確保と、受発注管理のための光ファイバー網整備の二点は、早急な対応が必要などと説明した。

 出席した課の担当者からは「現段階で構想を進めるには、補助金を使わない県単独事業が出てくるだろう。予算をどう手当てしていくのか」などの質問が出た。

 連絡会議は月一回、五つの課題ごとに編成されたチームから報告を受け、構想実現に向けた方策を探っていく。




■ PRセンターのウラン鉱石で論議

写真  核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団(代表・浅石紘爾弁護士)は十一日、六ケ所村にある「六ケ所原燃PRセンター」に展示されているウラン鉱石の放射線量を測定したところ、自然界の二十倍という結果が出た−と発表した。これに対し、日本原燃は「非常に低い放射線量で、人体に影響はない」と説明している。

 日本原燃によると、ウラン鉱石は重さ約十四キロで、天然ウラン約二十八グラムを含む。来場者がウラン鉱石が収められたプラスチック容器を押すと、核燃料サイクルに関する説明が始まる仕掛けになっている。

 原告団は、独自に測定した結果、ウラン鉱石の放射線量は自然界の二十倍だったと指摘。「見学者が被ばくの事実を知らされていないのは問題。毎日仕事をしているコンパニオンの健康にも影響があるのではないか」としている。

 しかし、日本原燃は(1)ウラン鉱石から受ける放射線量は一分間当たり〇・〇〇一七マイクロシーベルトで、自然界から一年間に受ける放射線量(約一・一ミリシーベルト)の約六十万分の一(2)天然ウランに換算しても三百グラム以下で、原子炉等規制法の施行令による国の使用の許可を要しない−ことを挙げた上で、「自然界の二十倍だったとしても、被ばく量は十分に低く問題ない」としている。

※写真は六ケ所原燃PRセンター2階にあるウラン鉱石。アクリル樹脂製のカプセルに入っており、核燃料サイクル説明パネルのスイッチになっている

 ◇

 核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団(代表・浅石紘爾弁護士)は十一日までに、原告団の活動状況や核燃料サイクル施設の現状などを紹介するホームページを開設した。

 裁判の日程や報告、争点などを盛り込んだほか、核燃料サイクルの仕組みを分かりやすく解説している。国の原子力政策の問題点や六ケ所核燃料サイクル事業への疑問点も掲載、事業阻止に向けて幅広い支援を訴えている。

 ホームページの運営を担当している原告団の小笠原茂さんは「推進側の膨大な情報発信に比べると、財力に限りがある私たちの情報発信は少ないのが実情。青森県民は核のごみ捨て場になることを望んでいないことすら、他県には伝わっていないかもしれない。ビラまきなどの活動では伝え切れない情報を伝えていきたい」と話している。

 ホームページのアドレスは、
http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/


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