2000年9月2日(土) 東奥日報 ニュース


県液晶集積構想で立地第1号
是川遺跡で加工木材が大量出土


■ 県液晶集積構想で立地第1号

 むつ小川原開発地域に液晶などFPD(フラット・パネル・ディスプレー=平面パネル表示)関連産業の集積を目指す「クリスタルバレイ構想」の立地第一号が決まり、県は一日、企業支援策「オーダーメード型貸工場制」を活用したモデル工場の概要を発表した。大手、地元など六社が共同出資し新会社を設立、携帯電話や情報端末機の表示部品である反射型カラーフィルターを生産する。従業員は二百五十人。十二月ごろ従業員の募集に入り、来年四月から一部操業する。

 新会社に出資するのは、セイコーインスツルメンツ、アルプス電気、カシオ計算機、日立化成工業、アンデス電気、アンデスインテックの六社。七日に東京で設立発起人会を開く。一億四千万円の資本金のうち四割に当たる六千万円は、アンデス電気と関連会社のアンデスインテックが出資する。

 工場建設地は六ケ所村弥栄平。土地は約二・五ヘクタール、建物八千四百平方メートル。年商は約百十億円。工場の建物(投資額三十九億円)は十年間、ラインなど機械設備(同八十億円)は六年間のリース方式で企業が借り受ける。十月に着工、来年三月に試運転に入り、同十一月にはフル生産に入る計画。

 同日、現地を視察した木村守男知事は「新会社の本県進出という英断に感謝したい。これを起爆剤に、むつ小川原地域に液晶関連企業が集積し、雇用の創出や本県企業への技術移転が進むよう、県としてクリスタルバレイ構想に全力で取り組んでいきたい」と述べた。また、今月中旬、庁内に「クリスタルバレイ構想推進連絡会議」を設立し、商工観光労働部、土木部、むつ小川原開発・エネルギー対策室、公営企業局などが連携して構想を支援していく方針を明らかにした。




■ 是川遺跡で加工木材が大量出土

写真  八戸市教委が発掘を進めている同市是川の是川中居遺跡・中居地区で、縄文晩期初めごろ(約三千年前)のものとみられる、加工痕のある木材が大量に見つかった。加工材や素材をまとめて捨てたようだが、水場を利用した施設の痕跡である可能性もある。また櫂(かい)の形に似た「く」の字に曲がった加工材も出土した。

 加工材が出土したのは中居地区の南側にある沢で、八月下旬に大型の木胎漆器(朱塗り木製品)やほぼ完形の朱塗り縦櫛(たてぐし)が見つかった地点のさらに下層に当たる。焼け焦げた長さ一・五メートルほどの木や、皮をはがしたり削った跡のある数十センチ−一・五メートルほどの木が多数、横たわっていて、十本ほどは互いに直交する形で出土した。このほか地中に刺さった状態の木材が何本かと、焼けた痕跡がある石も見つかった。

 この日、遺跡を訪れた、縄文時代に詳しい須藤隆・東北大文学部教授は「北側の沢はトチ・クルミなどの堅果類が捨てられて厚くたい積しているのに対し、南側の沢は堅果類が少ない一方、製品や加工材を廃棄している。同時代でも沢の利用の性格が異なっているようだ」と指摘する。

 加工材の中には長さ七十二センチ、幅六センチの、平べったい櫂に似た形の物も見つかった。「く」の字に曲がり、一方の端は直径三センチほどの棒状に加工されているが、端は折れてなくなっている。

 県内では青森市の三内丸山遺跡で櫂とみられる木製品が出土しているが、櫂の可能性に疑問を投げかける研究者もいる。是川中居遺跡で出土した木製品が櫂とすれば極めて貴重な出土品となるが、八戸市教委は加工の特徴や「く」の字に曲がっている原因について、さらに詳しく調べることにしている。

※写真は是川中居遺跡・中居地区の「南の沢」で見つかった加工材。右下に「く」の字に曲がった加工材が見える


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