| 2000年8月25日(金) |
八戸市教委が発掘を進めている同市是川の是川中居遺跡で二十四日、縦約十五センチ、横約二十五センチ、厚さ約一・五センチの朱塗りの木製品(木胎漆器)が出土した。文様の特徴などから縄文晩期初めごろ、約三千年前の鉢の一部とみられる。復元すれば直径五十−六十センチに達するとみられ、木胎漆器としては国内最大級。しかも形と文様は土器そっくりで、大きさ・特徴とも国内に出土例のない貴重な遺物として注目される。また、木胎漆器が出土した沢からは、朱塗りの遮光器型土偶の頭部も出土した。この木胎漆器が見つかったのは、同遺跡中居地区の発掘現場の南端、深さ約二メートルの地点。昨年の調査で矢じりが刺さった板などが出土した特殊泥炭層(トチ、クルミなどの堅果類がたい積した地層)が存在する沢筋の南側に当たり、今年初めて存在が明らかになった、埋没した沢の中ほどに当たる。 木胎漆器には同時期の土器に特徴的な「三叉(さんさ)状入り組み文」とみられる文様が刻まれているほか、縁などに施されている凹凸線状の文様も土器そっくり。「なぜ、わざわざ土器と同じような外観の巨大な木製品を作ったのか?」と作業員らも首をひねっている。 縄文時代の遺物に詳しい江坂輝弥・慶応大名誉教授は「文様が刻まれた朱塗りの木製品としては、高知県で直径三十−四十センチほどの、晩期中ごろの漆塗りのふたが見つかっているが、これほど大きな木胎漆器は例がない。わざわざ土器と同じデザインの木製品を作ったのは、液体など、木の方が貯蔵しやすいものを入れていたのではないか」と話している。 同市教委文化課の工藤竹久副参事は「漆器片は土で圧迫されつぶれている可能性もあるので、ほかの部分が埋まっていないかどうか調べるとともに、大きさや器形、特徴については現場から取り上げてから精査したい」と話している。 また、同遺跡の長田沢地区では動物をかたどったとみられる土製品の足や、先端が七つに分岐した異形石器などが見つかっている。 ※写真は是川中居遺跡・中居地区で出土した国内最大級とみられる木胎漆器
白神山地のふもとにある西目屋村の目屋ダムへ流れ込む雪解け水が年々減っていることが、建設省津軽ダム工事事務所の調査で分かった。四月のダム流入量は昭和五十九年ごろから減っており、同工事事務所は「白神山地の雪が少なくなっている証拠。地球温暖化が影響しているのではないか」と話している。 同工事事務所は、同村で進めている津軽ダム建設事業の参考にするため、目屋ダムの流入量などを長期的な視点で調査した。 昭和三十五−四十四年と、平成二−十一年の年間平均総流入量を比較したところ、「昭和三十五年−」では年平均五億二千五百七万立方メートルの水が流れ込んだのに対し、「平成二年−」は四億六千五百三十八万立方メートルにとどまり、三十年間で約六千万立方メートル(約一二%)の年間流入量が減っていることが分かった。これを月ごとのグラフにすると、減少の幅は雪解け水が流れ込む四−六月ではっきりと表れた。 また、四月の平均流入量を、目屋ダムが完成した昭和三十五年からたどってみると昭和五十九年ごろから減少傾向にあることも分かった。 さらに一月の青森市の平均気温を一八八六(明治十九)年分から調べたところ、過去五十年で約二度上がっていることが判明。これらのデータから同工事事務所は「冬季の平均気温が高くなっているのは明らか。それとともに白神山地の積雪量も減っている」とし「その分、水をためるダムの役割が重要になってきているのではないか」と話している。 弘前大学理工学部の力石國男教授(大気水圏環境学)は、このデータについて「雪解け水と四月の気温の関係も考慮する必要がある」と指摘。同大農学生命科学部の牧田肇・生物共生教育研究センター長は「少雪傾向が本当ならば、白神の生態系に影響を与える可能性もある」と話している。
青森市の三内丸山遺跡を舞台にだれも見たことのない縄文空間を展開しよう−と、大阪府吹田市の画家安芸早穂子さんと茨城県水戸市のイラストレーターさかいひろこさんが二十六日−九月一日の七日間、共同作品展「アートする縄文」を開催する。縄文をテーマにした絵画や漫画で活躍中の二人は、「縄文の世界をこれまでと違った切り口で、幅広い世代の人たちに見せたい」と意気込みながら、展示の準備を進めている。 会場となる同遺跡の体験学習室には、二人の原画が五十点以上展示されるほか、ビニールやプラスチックなどの素材を使って共同制作した“土偶”などが並ぶ。 また、二人は同遺跡内で木の枝や根、ツタなどを拾い集めており、これらを利用したオブジェを作って会場を埋めていく。 「ムンクの叫び」をパロディー化した土偶や、土器に色とりどりのビニールテープを組み合わせたオブジェを制作中の安芸さんは、「遺跡で行われるイベントはたいてい決まりきっているので、面白おかしく見せたり、ティーンエージャーにすてきと思わせるような新しい方法で、縄文を紹介したい」と話している。 二人は今後、「ワークショップ地母神(ちぼしん)」を結成し、親子を対象にした作品教室などの活動を展開していくが、この作品展はその第一歩となる。 ※写真は作品展「アートする縄文」の準備を進める安芸さん(左)、さかいさん
|