2004年7月3日(土) 東奥日報 ニュース


■ 核燃料直接処分は再処理の半分以下/政府が試算を公表せず

 原発から出る使用済み核燃料を地中深く直接埋めて捨てれば、再処理方式に比べて半分以下と大幅に安くなるとの政府試算がありながら、公表していなかったことが二日明らかになった。核燃料サイクル見直し論議が高まるのを政府が恐れたためとみられる。重要な情報開示を怠っていたことで、核燃サイクル政策の是非を検討する原子力委員会の議論にも影響を与えそうだ。

 試算は一九九四年と九八年に実施し、再処理方式が直接処分方式の二―四倍割高となる。当時の議論で電力会社側が「割高との試算が公表されると、サイクル事業が成り立たなくなる」などと主張。政府は、今年三月の国会でも「試算はない」と答弁していた。

 経済産業省資源エネルギー庁は二日、試算があったことを認め、原子力委員会に資料を提出することを明らかにした。

 総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)は六月、再処理の総費用は十八兆八千億円との試算をまとめており、一部は電力料金に上乗せする計画。

 三月の参院予算委では、直接処分の費用に関する福島瑞穂(ふくしま・みずほ)社民党党首の質問に、日下一正(くさか・かずまさ)資源エネルギー庁長官(当時、現経済産業審議官)が「再処理しない場合の試算はない」と答弁した。

 これについて日下審議官は二日、「試算があることは知らなかった」と述べた。エネ庁の柳瀬唯夫(やなせ・ただお)原子力政策課長は「当時の経緯は分からないが、議論は非公開なので、公表しなかったのは不思議ではない」としている。

 九八年三月に通産省(当時)の外郭団体、財団法人原子力環境整備センター(同)が行った試算は、直接処分の場合は約四兆―六兆円、再処理後に処分する場合は約三・四兆―五兆円としている。処理期間など前提条件は違うが、現在、再処理工場の操業や解体などのコストとされている約十一兆円を加えると、再処理方式は十四・四兆―十六兆円となり、直接処分の二―四倍程度になる計算だ。

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重大な問題

 鹿内博県議(無所属)
 試算しておきながら政府が公表をしなかったことは重大な問題である。再処理ありきの前提で、政策の選択肢の提示を意図的に抑えてきたことになる。情報がきちんと示されていない以上、六ケ所再処理工場のウラン試験は実施すべきでない。

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推進変わらず

 滝沢求自民党県連政調会長
 核燃サイクルを推進する立場に変わりはない。このたびの報道に関しては事実関係が分からないのでコメントしようがない。


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