| 2001年12月17日(月) |
茨城県東海村にある日本原子力発電(原電)東海第二発電所の敷地内に「乾式キャスク貯蔵施設」が完成した。水を張ったプールに使用済み核燃料を沈める湿式貯蔵と違い、たる状の容器「金属キャスク」に使用済み核燃料を入れる乾式貯蔵だ。キャスクは縦置きで、東京電力によると、むつ市が誘致を目指している中間貯蔵施設にイメージ的に近いという。東海村を訪れ、乾式キャスク貯蔵施設をのぞいてみた。乾式キャスク貯蔵施設の建屋は幅五十四メートル、奥行き二十六メートル、高さ二十一メートル。外見は大型倉庫といった印象だ。使用済み核燃料約十一トンを収納できるキャスク二十四基を内部に置くことができる。ステンレス鋼製のキャスクは全長五・七メートル、直径二・四メートル。今月十一日に運用が始まった。 出力百十万キロワットの東海第二発電所は国内初の大型原発として一九七八年に営業運転を始めた。原子炉建屋内にあるプール(容量二百六十トン、後に三百九十トンに増強)には使用済み核燃料がたまり続け、二〇〇一年三月末の段階で二百二十トンに達していた。 4つの安全機能考慮 同発電所の石坂善弘技術課長は「東海第二発電所は比較的古い時代に造られたため、プールの貯蔵容量にそれほど余裕がなかった。何も手を下さないとプールがいっぱいになってしまうため、(搬出先の)六ケ所再処理工場建設の進ちょく状況も考慮しながら、仮に約十年分をどこにも搬出しなくても貯蔵できるように施設を新設した」と話す。 キャスクは、放射性物質の閉じ込め、放射線の遮へい、臨界(核分裂の連鎖反応)の防止、冷却−という四つの安全機能を満たすように設計されているという。例えば、ふたは二重構造になっていて、圧力センサーがふたの間の圧力を測定し、中身が漏れないように監視している。縦置きにしたのは、敷地をより有効に使うためだ。 「水を使うプールだと、いろいろなケアが必要だが、キャスクは置いておくだけで基本的に安全機能はすべて担保できる設計になっていて、除熱も自然換気でできる。運用面でメリットが高く、欧米では主流だ」と石坂課長。 ただ、東京電力がむつ市への立地を計画している中間貯蔵施設は、(1)予想される貯蔵容量は五千トンとけた違いに多い(2)原発敷地外に造る−という二点で、原電の乾式キャスク貯蔵施設とは異なる。東海村のほか福井県に二基の原発を抱える原電も、今回の貯蔵施設とは別に中間貯蔵施設の建設を検討中だ。 原発立地県も不安 その理由について、同社中間貯蔵グループの高橋雄幸マネージャーは「(高速増殖炉『もんじゅ』事故後の九六年一月に)三県知事が、発電所に使用済み核燃料を永久的に置かないように−と(国に)提言したこともあり、敷地内にさらに貯蔵施設を造るのは厳しい情勢だ。今後は(敷地外への)中間貯蔵にならざるを得ない」と説明する。 三県とは、原発が集中立地する福井、福島、新潟県。むつ市民の間に、中間貯蔵施設の立地は使用済み核燃料の半永久貯蔵につながりかねない−との不安があるのと同じように、原発立地県でも使用済燃料の取り扱いに関する不透明さが住民の懸念と不信感を生んでいるようだ。 (むつ支局・福田悟) ※写真は巨大なキャスクが並ぶ貯蔵施設の内部。取材した時点では使用済み核燃料が入っておらず、ビニールシートに包まれたままだった |