過去の記事 核燃・むつ小川原




■ 六ケ所村長が「安全協定」締結了承へ(2000.6.30)

 使用済み核燃料搬入に関する安全協定問題で、橋本寿六ケ所村長は二十九日、締結の条件としていた防災避難道路の整備について「県には前向きに取り組んでもらっている」と述べ、三十日に開かれる村議会全員協議会終了後にも締結を了承することを示唆した。同日、木村守男知事に防災避難道路の整備をあらためて要請した後、報道陣の質問に答えた。

 橋本村長は防災避難道路の整備について「事務方で(検討会を組織して)詰めの作業を行うなど、県には前向きに取り組んでもらっている。前方がちょっと見えてきたな、という感がある」と県の対応を評価した。

 二十七日に村議会が防災避難道路の整備を知事に要請した際、国道338号の整備計画をより明確にしなければ安全協定締結を了承できないとする意見が出たことについては「私は議会と歩調を合わせていかなければならない立場にあるが、そういうこと(了承できない)はないだろう」との見通しを示した。

 ただ、安全協定の締結時期については「今日は(知事と)全く話し合わなかった。後日あらためて検討しなければならない」と述べるにとどめた。

 村の要請に対して県は、村を南北に走る国道338号のう回路として使われている村道・平沼−高瀬川線が国の補助事業で整備拡充されるように努力する意向を示していた。




■ 高レベル廃棄物貯蔵で県が回答(2000.6.30)

 高レベル放射性廃棄物の最終処分問題で、県は二十九日までに、処分場への搬出が始まるまでの間、六ケ所村に貯蔵される高レベル廃棄物(ガラス固化体)の累積数は約二万八千五百本に上るとの見通しを示した。市民団体「核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会」(平野良一実行委員長)の公開質問状に回答した。

 県は(1)最大処理能力八百トンの六ケ所再処理工場で発生するガラス固化体は年間約千本(2)処分場の操業開始は二〇三一年(3)二〇三〇年末までの再処理量は約二万トン−の前提条件を基に、六ケ所再処理工場からは約二万五千本のガラス固化体が発生すると推定。さらに今後十数年にわたって英仏から返還されるガラス固化体約三千五百本を合わせると累計で約二万八千五百本となると試算した。

 ガラス固化体の搬出については「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(五月末成立)を基に、国が処分時期・量を五年ごとに定め、実施主体が具体的な計画を作成することとなっている−と回答した。国の計画によると、処分場の操業開始は二〇三〇年代から遅くとも二〇四〇年代半ば。実行委は処分場操業前にどれだけのガラス固化体が六ケ所村に蓄積され、すべて搬出し終えるまでにどれだけの期間が必要か明示するよう求めていた。




■ 青銀頭取がむつ会社処理策受け入れを示唆(2000.6.30)

 青森銀行が二十九日開いた株主総会で、井畑明男頭取はむつ小川原開発の処理問題について「国と経団連が責任を持って開発を継続していくことが確認できた」と述べ、債権放棄や新会社への出資に応ずる方向で近く結論を出すことを示唆した。

 同頭取は、株主にこれまでの経緯を説明した後、質問に答える形で「県や地域のために協力していきたい」と述べた。

 一方、みちのく銀行が同日開いた株主総会でも株主から同問題に対する質問が出ていたが、大道寺小三郎会長は「最後まで十分に検討して決めたい」と答えていた。

 むつ小川原開発会社に融資している三十七民間金融機関は、国土庁、経団連など関係五者から、七月十四日までにむつ会社清算に同意する協定書の締結を求められている。




■ ウラン濃縮分離機「秋にも方向性」(2000.6.29)

 日本原燃の竹内哲夫社長は二十八日、青森市の本社で記者会見し、ウラン濃縮工場の増設施設に導入する計画だった高度化遠心分離機の実用化を断念した問題について、将来の技術開発の方向性も含めて秋に説明したい、との意向を示した。

 従来の遠心分離機の二倍以上の性能がある高度化機は当初、十年度に実証試験を終了し、十四年度から順次導入していく予定だった。竹内社長は高度化機の実用化断念について「まだコメントする段階にない。これまでの経緯、将来の方向性なども含めて秋にまとめて説明したい」と述べた上で、「少なくとも技術開発を続けていくことは大事。私どもの会社でこれまで開発してきたもの、並行的に核燃料サイクル開発機構が開発してきたものも含めて(対応を)議論している」と強調した。

 また同社は、六ケ所村鷹架のむつ小川原港から既存の運搬専用道路までを結ぶ「第二専用道路」に同日着工したと発表した。国道338号を立体交差でまたぐため、高レベル放射性廃棄物などを「より安全に、効率的に運搬できる」という。全長千三百四十メートルで、平成十三年十一月末には運用を始める。




■ 安全協定の是非論議、来月4日青森で市町村長会議(2000.6.29)

 六ケ所村に使用済み核燃料を本格搬入する前提となる安全協定について、県は七月四日に青森市のホテル青森で周辺市町村長会議と六十七市町村長会議を開き、締結の是非を聴く。市町村長会議が終了すれば、安全協定締結に向けた手続きは県議会からの意見聴取を残すだけとなる。

 試験用の使用済み燃料(三十二トン)搬入に関する安全協定締結に際して知事は(1)高レベル放射性廃棄物の最終処分の見通し(2)原子力レスキュー隊の創設(3)プルサーマル計画の進展(4)電気料金割引の全県適用−などを国に要請した経緯がある。

 このうち、昨年始まる予定だったプルサーマルはMOX燃料データねつ造により進展せず、プルトニウム余剰の懸念が出ている。電気料金割引の全県適用も実現していない。市町村長会議ではこれらについても議論されるとみられる。

 二十九日には橋本寿六ケ所村長が木村守男知事に原子力災害に備えた防災避難道路の整備などを再び要請する。




■ 原子力防災道路県整備案に六ケ所村議会不満(2000.6.28)

 使用済み核燃料搬入の安全協定問題に関連して六ケ所村議会(中岫武満議長)が二十七日、木村守男知事に原子力災害に備えた避難道路の整備を要望した。知事は「(県と村の)検討会で具体的な成果が得られた」として、国道338号のう回路を整備する案を提示した。県、村の事前の打ち合わせでは知事の提案で村議会は矛を収めるはずだったが、議員からは「これでは安全協定は締結できない」などと反発する声が続々。「こんなはずでは…」と事務方を慌てさせている。

 避難道路整備について知事は、平沼−高瀬川線の整備が国の補助事業に採択されるよう努力する意向を示した。同線は村を南北に走る338号のう回路として使われている既存の村道。

 ところが、村議会からは「政治力で338号の整備に目鼻を付けて欲しい。これでは安全協定締結の是非について意見集約できない」(古泊実議員)、「再処理工場稼働前に避難道路の整備が完了する青写真を示さなければ締結にゴーサインは出せない」(大湊茂議員)と反発。「338号は車の往来が激しく、大根の収穫をしても出荷場所まで持っていけない」(同)という“想定外”の不満も。

 知事の提案で村議会が了承するシナリオを用意していた県と村の事務方は思わぬ展開にオロオロ。最後は「力を合わせなければできないぞ」(知事)という“つるのひと声”で場は収まったが、安全協定締結に難題が持ち上がった格好だ。




■ ウラン濃縮高度化機断念を国了承(2000.6.23)

 電力業界が六ケ所ウラン濃縮工場に導入する計画だった従来の遠心分離機の二倍の能力がある高度化機(50K機)の実用化を断念した問題で、通産省は二十二日までに電力業界の同方針を了承、今後は従来の三倍以上の能力がある次世代機(100K機)の研究開発に向け来年度予算での助成を検討している。100K機の開発には六、七年かかる見通しで、増設や機器更新が間に合わないまま工場閉鎖に追い込まれる恐れが出てきた。ウラン濃縮を含めた核燃料サイクル“三点セット”受け入れの前提が大きく揺らぐ事態となった。

 これまで日本原燃が電力会社や核燃料サイクル開発機構と共同で開発を進めてきた50K機は長期使用の性能が出ないことや、完成してもコストが海外の二倍になるため、電力業界が打ち切りを指示したという。100K機の開発には単体の遠心機の完成に約三年、量産技術の確立に三、四年はかかる見通しで、一九七〇年代から三千億円以上の予算を投じて進めてきた国産民間ウラン濃縮の事業化は大幅に遅れる。

 電事連と日本原燃は、ウラン濃縮工場を原発十二基分の燃料を生産できる年千五百トンSWU(分離作業単位)にまで増設すると県に説明してきた。現在は原発七基分の年九百トンSWU。しかし、遠心分離機は予想以上のペースで停止しているため、生産ラインが順次閉鎖され、約束が反故(ほご)にされる恐れがある。

 電事連の再処理工場の立地要請に対して、県は「安全で地域振興に貢献してもらえるウラン濃縮をぜひ加えてほしい」(北村元知事)と注文を付けて低レベル放射性廃棄物埋設施設も含めた“三点セット”に落ち着いた経緯がある。ウラン濃縮工場が閉鎖されれば、当時の県首脳が単独での受け入れに難色を示した再処理工場や高レベル廃棄物貯蔵施設立地の前提条件も崩れることになる。

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 日本原燃によれば高度化機に関する方針の決定は秋ごろで、実用化を断念したとは聞いていない。研究開発段階であり、さまざまな困難があることは理解できるが、濃縮ウランの国産化については千五百トンSWU体制を着実に目指すという国の方針も変更されていない。



■ 通産省が核燃料の規制強化を提案(2000.6.23)[共同通信]

 英国核燃料会社のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料製造データねつ造問題で、通産省は二十二日、輸入核燃料の安全規制を強化するよう求めた電気事業審議会検討委員会の報告書を原子力安全委員会(松橋祥次郎委員長)に提出した。

 報告書は、今回の問題点として、関西電力の品質保証確認や通産省のチェックの不備を指摘するとともに、事業者に対して、品質保証関連の書類を事前提出させることや、第三者機関のチェックなどを義務づけることなどを提案している。
 通産省は報告書に沿って七月中にも省令を改正するなどして規制を強化する方針。



■ 液晶集積産業への県負担に質問相次ぐ(2000.6.22)

 むつ小川原開発地域への液晶関連産業集積を目指し、七月初旬にも中間提言がまとまる予定の「クリスタルバレイ構想」をめぐり、二十一日開かれた県議会の関係常任委員会で、県側に対し負担内容や意義をただす質問が相次いだ。

 水産商工観光労働委員会では鹿内博委員(無所属)が「県の財政負担や責務はどうなるのか。費用対効果をどう考えるか」と質問。建設むつ小川原企業委員会では高橋千鶴子委員が「六ケ所と青森間、八戸間の弾丸道路建設など県、国にかなりの負担を求める中身もある」と指摘した上で、構想の意義などをただした。

 これに対し蝦名武商工観光労働部長は「中間提言を受けた後、国、県、村の役割分担やなすべきことを検討する。その段階で負担や責務などが明らかになる」と説明した。

 また、蒔田弘一むつ小川原開発・エネルギー対策室長は「商工観光労働部と連携を密にし、検討状況を踏まえながら対応する」とした。




■ 県と六ケ所村が避難道路で検討会(2000.6.22)

 使用済み核燃料搬入の安全協定問題に関連して橋本寿六ケ所村長が整備を要望していた防災避難道路について、県と六ケ所村は二十一日までに検討会を設置、具体的な調査検討を始めた。村は県の対応を評価しており、安全協定締結に向けて村の動きが加速される可能性が出てきた。

 原子力災害に備えた防災避難道路の整備は橋本村長が四月に木村守男知事と会談した際、核燃料物質等取扱税(県税)の配分とともに要望していた。

 検討会は県のむつ小川原開発・エネルギー対策室や土木部、原子力安全対策課、村環境保全課などで構成。県地域防災計画(原子力編)を踏まえた具体的な避難方法についても調査検討を進めることにしている。

 避難道路について村は、昨秋の東海村臨界事故によって村民の間に原子力災害に対する不安が高まっている−として六ケ所村と三沢市を結ぶ海浜高規格道路を新規に整備するように県に求めているが、検討会では工事中の地域高規格道路「下北縦貫道路(天間林村−むつ市)」の整備を急いで避難道路として活用する案や、村を南北に走る国道338号のバイパスを整備する案なども浮かんでいる。




■ 原燃が国に防災業務計画提出(2000.6.17)

 日本原燃(本社青森市)は十六日、原子力災害を未然防止する取り組みや事故発生時の取り組み、復旧対策を定めた「原子力事業者防災業務計画」を科学技術庁に提出した。事故発生の社内通報を受けた連絡責任者は十五分以内をめどとして知事、県警本部など外部の関係機関にファクスで通報することなどを明記した。

 原子力事業者防災業務計画は、東海村臨界事故を受けてつくられた「原子力災害対策特別措置法」が事前の届け出を義務付けている。同社は県と六ケ所村に四月に計画案を提示し、協議を進めていた。

 計画によると、日本原燃はあらかじめ六ケ所村の再処理事業所と濃縮・埋設事業所に原子力防災組織の役割を担う事業所対策本部を定める。原子力防災組織を統括管理する原子力防災管理者(事業所長)は、連絡責任者も定めておく。

 敷地境界線上の放射線量が一時間当たり五マイクロシーベルト以上検出される事故が起きた場合、事故発生の通報を受けた連絡責任者は原子力防災管理者に通報するとともに、通報を受けてから十五分以内をめどとして科技庁長官、知事、村長、県警本部、北部上北広域事務組合消防本部など関係機関に通報する。

 通報までの時間は、五月に改定された国の防災基本計画原子力災害対策編にならった。

 国が六ケ所村に開設するオフサイトセンター(現地共同対策センター)には要員派遣、資機材貸与などを行い、関係機関が行う緊急事態対応策が円滑に行われるように連携する。

 原子力事業者防災業務計画は、青森市本町の同社「サイクル情報コーナー」で閲覧できる。




■ 高レベル廃棄物最終処分、実施機構設立に向け設立準備委・室設置へ(2000.6.17)[共同通信]

 電事連の太田宏次会長(中部電力社長)は十六日の記者会見で、十月ごろに予定される高レベル放射性廃棄物最終処分の実施主体・原子力発電環境整備機構の設立へ向け、七月一日付で電事連内に設立準備委員会と設立準備室を設置することを明らかにした。

 同機構設立は、先の通常国会で成立した特定放射性廃棄物最終処分法に盛られている。太田会長は同法成立について「原子燃料サイクルに対し『トイレなきマンション』との批判もあったが、長年にわたる最重要事項である最終処分事業スタートへ第一歩を踏み出すことができ、大変うれしい限りだ」と述べた。

 同機構は、電力九社と日本原子力発電の社長が発起人となり設立する。各社の企画担当部長級でつくる設立準備委と、その下部組織である設立準備室は、設立認可に必要な定款や事業計画などを策定する。

 太田会長は「立地などで大変な苦労が予想される」と困難さを認めながらも「深層地下埋設処分は技術的に非常に可能性が高いもので、これからPRして理解を得られれば、いくつか(候補)地点が選ばれ、事業を進められると信じている」と述べた。一方、ドイツの政府と電力業界が原発全廃で合意したことに対し、同会長は「ドイツは発電用天然ガスのパイプラインが整備され、フランスからも送電線で電気の供給を受けられる。エネルギー資源を海外に依存している日本は、原子力発電を大事に育てなければいけない」と推進姿勢に変わりがないことを示した。




■ 原子力災害対策法が施行(2000.6.16)[共同通信]

 東海村臨界事故を受けて昨年十二月に成立した原子力災害対策特別措置法が十六日施行された。
 大事故が起きた場合に首相が「原子力緊急事態」を宣言するなど、国が主導的な役割を果たすとともに、事業者が防災への取り組みを強化することが義務付けられ、安全確保に向けた新たな枠組みのスタートとなる。

 成立後の半年間で、防災計画の見直しなど体制整備が進んできたが、今後は防災訓練などを通じて問題点がないか確認するなど、新たな枠組みを有効に機能させることが課題だ。

 緊急事態宣言は、原子力施設の敷地境界で、一時間当たり〇・五ミリシーベルトのガンマ線を検出した場合に出され、首相を長とする原子力災害対策本部を置く。事前に施設周辺に設けている緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)に現地対策本部を置き、自治体や防災機関と連携して事故の拡大防止を図る。オフサイトセンターは全国で二十一カ所指定された。

 事業者には、防災組織を常設し、事故時に国や自治体に通報する義務を課した。通報時間は防災基本計画で「十五分以内」と決まった。
 また国が防災訓練計画を定め、訓練を行う。

 核燃料加工施設にも定期検査を課す原子炉等規制法改正は七月一日に施行される。二つの法律に基づき新設された国の原子力防災専門官や原子力保安検査官は、計約九十人。各地に設置された国の事務所に常駐する。

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 十六日施行の原子力災害対策特別措置法などで、核燃料サイクル関連施設や研究炉などを対象に各地に配置する原子力防災専門官、原子力保安検査官に対し、科学技術庁は十五日、辞令を交付。中曽根弘文長官は「自治体や事業者など多くの人と連携を取り、住民や国民の視線を忘れずに安心してもらえる体制をつくってほしい」と訓示した。

 科技庁が所管するのは商業用原発以外の、原子力施設で、本県、茨城、神奈川、福井、大阪、岡山の六府県に七事務所を置き、計二十四人を置く。




■ 電力業界が高度化機開発断念(2000.6.16)

 電力業界は十五日までに、日本原燃・六ケ所ウラン濃縮工場の増設施設へ導入する計画だった従来の遠心分離機の二倍以上の能力がある高度化機(50K機)の研究開発を断念し、一気に三倍以上の能力がある次世代機(100K機)の実用化を目指す方針を固めたもようだ。開発路線を大きく軌道修正した格好だが、六ケ所工場は遠心分離機の停止台数が急増しているため、100K機を六−七年以内に実用化させなければ施設の増設・更新が間に合わないまま工場が閉鎖に追い込まれる恐れも出てきた。

 高度化機は電事連と日本原燃、核燃料サイクル開発機構(旧動燃)の三者が平成五年度から研究開発を進めてきた。国際価格より二−三倍高い六ケ所工場の濃縮料金を引き下げ、遠心分離機の停止も抑えるのが狙い。当初は十年度に実証試験を終了、十四年度から順次導入していく予定だった。

 しかし、遠心機の回転胴底部部品の信頼性を確認するために試験片による模擬試験を行った結果、試験片表面に線状のウラン化合物の付着と腐食の痕跡が見つかり、長期信頼性の見通しが得られなかった。このため、電力業界は50K機の実用化を断念し、50K機の開発・保守をするために日本原燃と重電三社が平成十年五月に設立した原燃マシナリー(本社・六ケ所村)の人員規模も縮小する見通しとなった。

 現在、六ケ所ウラン濃縮工場の生産能力は年九百トンSWU(分離作業単位)で、原発約七基分の濃縮ウランを供給することが可能だが、濃縮ウランは国際的に供給過剰が続き、国内でウラン濃縮事業を継続する意義は薄れつつある。




■ 風力発電事業化めざし、トーメンが調査(2000.6.16)

 六ケ所村のむつ小川原開発地域で、中堅商社「トーメン」(本社東京・田代守彦社長)が風力発電の事業化を目指した風況調査を進めている。実現すれば、既に出力三万三千キロワットの風力発電所の建設計画を公表している「エコ・パワー」(本社東京)とともに、二つの大規模風力発電所が開発地域で稼働することになる。

 トーメンが風況調査をしているのは六ケ所村倉内、尾駮、鷹架の三地点。昨年六月初旬に風向風速計を設置して調査を始めた。風況調査はさらに一−二カ月継続し、事業化が可能かどうか判断したいという。必要があれば、さらに一年間風況調査を継続する。

 同社電力事業本部は「発電所の出力規模は未定。風況の出現率にもよるが、年間平均風速が六メートル台後半であれば事業化が可能ではないか」としている。

 トーメンは風力、天然ガス、重油、石炭などを利用した発電事業を国内外四十三カ所で展開しており、風力発電の実績は世界一。北海道苫前町で国内最大の二万キロワットの風力発電所を運転しているほか、東通村にも三万キロワット規模の風力発電所を計画している。




■ 核燃施設、F2墜落しても防護上問題なし(2000.6.16)

 日本原燃(本社青森市)は十五日、次期支援戦闘機F2が事故により六ケ所再処理工場や高レベル廃棄物貯蔵管理センターに衝突しても、防護上問題ない−とする報告書をまとめ、科学技術庁に提出した。同社は「念のために公開情報に基づき確認をしたが、安全性を再評価する必要はないと判断した」としている。

 同社によると、六ケ所再処理工場などの防護設計は、燃料と模擬弾、ミサイルを積んだ最大装備の戦闘機F16がエンジンなどの故障により推力を失い、施設上空まで滑空し衝突する場合を想定、十分な余裕を見込んでいるという。国の安全審査も通っている。

 報告は法的な義務はないものの、F2の航空自衛隊三沢基地への配備が計画されていることから自主的に安全性を確認した。航空機の質量、衝突速度、機体の長さ、胴体部投影面積、エンジンの質量、吸気口部直径など、F2の影響を検討する上で必要な径数(パラメーター)を現在の防護設計条件と比較。事故は(1)機体全体の衝突による建屋の全体破壊(2)エンジンの衝突による建屋の局部破壊−の二つを想定した。その結果、すべての径数が安全側にあり、防護上問題なかったという。

 同社は「F2はF16をベースに改造開発された航空機で、F2の配備が当社施設に対し安全上影響を及ぼすものではないと考えている」としている。しかし、六ケ所再処理工場などの防護設計条件については、戦闘機が失速状態で模擬弾の搭載しか想定していないため、非現実性を指摘する声が軍事専門家から出ている。




■ 「保障措置分析所」に核燃物質の使用許可(2000.6.16)

 六ケ所再処理施設保障措置分析所を運営する財団法人「核物質管理センター」(東京・下邨昭三会長)は十五日、核燃料物質の使用許可を科学技術庁から受けた。

 同分析所は、六ケ所再処理工場の核物質が核兵器などに転用されていないことを確認することを目的に、完成後の再処理工場の分析建屋に設置されることになっている。再処理工場内の核物質量を確認するため、日本原燃が提出する試料のウランやプルトニウムの含有率を分析する。国際原子力機関(IAEA)の利用も予定されている。




■ むつ小川原処理策、東北5地銀了承へ(2000.6.15)

 むつ小川原開発の再建問題で、国の処理策に抵抗してきた青森銀行、みちのく銀行など東北地銀五行が十四日、むつ会社の処理にあたって「これ以上要請はしない」との考えで一致した。一方、都内で開かれた民間金融機関に対する説明会では、国土庁や経団連など関係五者がむつ会社の清算に同意する協定書を七月十四日までに締結することなどを求めた。東北五行が処理策の了承へ向け大きくかじをを切ったことで、同問題は七月の新会社発足へ向け大きく前進した。

 青銀によると、同行とみち銀、七十七銀行(仙台市)、岩手銀行(盛岡市)、東北銀行(同)の五行の頭取が同日、都内で会合を開き、国と経団連が責任を持って開発を推進することが確認できた−として、これまで主張してきた「開発の具体的な方向性明示」や「民間金融機関の負担軽減」などの要請は今後、行わないことで意見が一致した。

 青銀は「しかるべき時期に対応を決めたい」としており、取締役会などの組織決定を経た上で、近く処理策を了承する見通しだ。

 この後、むつ会社主催の金融説明会(非公開)が都内の如水館で開かれた。関係者の話を総合すると、国土庁などは、青銀などを含む三十六民間金融機関と政策投資銀行に対し、七月十四日までにむつ会社処理策に同意する協定書の締結と担保解除の手続きをすることを要請した。これは個別の調印となり、三十七金融機関の同意がそろった時点で効力が発生する。

 また、むつ会社十五億円の残余現金があり、うち二億円を清算整理資金に充て、残り十三億円を三十七金融機関に配分するとした。

 清算スケジュールについては(1)同日前後の臨時株主総会で新会社への事業譲渡を承認(2)七月中に新会社設立(3)解散決議(4)三月末までに清算手続きを終了−などと説明した。

 これに対し金融機関側からは都銀を中心に「新会社の経営内容に具体性がなく、出資は通常受け入れられない」「新会社の増資など、これ以上の負担がないようにしてほしい」などの懸念や意見が出た。

 説明会に出席したみちのく銀行の栗田貢専務は「持ち帰って検討する」と慎重な姿勢を示しつつも「前進はあった」と一定の評価をした。




■ 「クリスタルバレイ構想」検討委が骨子案を了承(2000.6.15)

 むつ小川原開発地域に液晶関連産業の集積をめざす県の「クリスタルバレイ構想」の第二回検討委員会(唐津一会長)が十四日、青森市の青森グランドホテルで開かれ、検討委幹事会が示した中間提言の骨子案を了承した。骨子では同地域を液晶などの平面パネルとその関連産業の生産拠点にするため、貸し工場制、電気料金割引や税金面の優遇などで企業誘致を図るほか、海外から若者を迎え入れる国際技術技能トレーニングセンターの設置などを提言している。

 各委員からは「技術者だけでなく作業員も不足している。技術者養成センターに海外から若い人を呼び、国際分業の拠点とすべきだ」「今の学生は遊び心に富んでいる。アニメーションなど(パネル機器向けの)ソフト制作も盛り込めないか」「(一貫製造できないため)製品化の工程でガラスが日本中を走り回っている。ガラスメーカーを誘致できないか」などの意見が出た。

 唐津一会長は「企業誘致はまずコスト、次に人脈だ。アンケートに回答した企業の半分はよく知っているところ。片っ端から話を持ち掛けてみる」と述べ、個人的に誘致のきっかけづくりに協力するとした。
 検討委は各委員の意見と骨子をもとに中間提言をまとめ、早ければ今月末に知事に提出する。




■ むつ新会社で開発推進協を設置へ(2000.6.14)

 七月に予定されているむつ小川原開発の新会社設立へ向け、国土庁、県、日本政策投資銀行、経団連でつくる新会社設立準備委員会は十三日、東京都内のホテルで二回目の会合を開き、開発の再建策協議の場である現行の五者協議を改組し、同開発推進協議会を設置することや、外部の有識者の助言を新会社の経営に生かすため、経営諮問会議を設置する方針を確認した。

 準備委には、山口柾義副知事ら関係四者の委員が出席した。

 開発の再建策はこれまで、準備委の四者と現・むつ小川原開発会社による五者協議で検討されてきた。新会社設立で改組・発足する開発推進協の具体的なメンバーや役割はこれから詰めるが、基本的に五者が参加し、土地の順調な分譲など新会社の安定化を図る協議や調整の場とする。

 外部の有識者から経営に対する意見を聞く経営諮問会議は、再建策が先行した苫東開発にならった設置で、苫東では経営の実務に通じた地元や全国の財界人が参加している。一方、新会社の役員については関係者間で個別に折衝中であり、準備委の席上では具体的な議論にはならなかったが、社長には経団連の永松恵一常務理事が内定している。

 最後となる三回目の準備委は七月中旬に開催する予定で、新会社の定款案や役員予定者となる設立発起人などを確定。その後、早々に発起人会を開いて新会社を正式に設立する運びだ。




■ 六ケ所に原子力防災専門官配置ヘ(2000.6.10)

 原子力施設の安全確保に当たるため、国の担当者として新設された原子力防災専門官が二十四人、原子力保安検査官は六十七人が配置されることが九日までに決まった。

 施設の立地地域ごとに国の事務所を二十三カ所置き、専門官、検査官が常駐。日常の防災対策や施設検査のほか、緊急時には対策の最前線を受け持つことになる。

 防災専門官は、十六日施行の原子力災害対策特別措置法に基づくもので、事業者の防災計画に関する指導、助言など。保安検査官は七月一日施行の原子炉等規制法の改正に基づくもので、年に四回、保安規定の順守状況の調査などを行う。

 原則として、防災専門官は施設の立地地域に一人、保安検査官は全国で五十一基ある商業用原発に各一人。このほか本県では、六ケ所原子力施設管理専門官事務所を六ケ所原子力安全管理事務所に名称変更、新法成立などにより新たに設置される原子力防災専門官に杉山和幸所長を、原子力保安検査官に夘城義男、小野文夫、田村収の三副所長をそれぞれ任命する。茨城県は東海村などに日本原子力研究所、核燃料サイクル開発機構など多くの施設があるため保安検査官を七人置く。

 福井県内は四つの商業用原発の立地地域のほかに、高速増殖炉原型炉もんじゅ、新型転換炉原型炉ふげんを対象に事務所を一つ置き、この事務所に防災専門官二人と保安検査官二人を配置する。計六十七人の保安検査官のうち、残りは神奈川県に二人、大阪府と岡山県に各一人。

 設置される国の事務所については、商業用原発を担当する通産省は「原子力保安検査官事務所」、研究段階の施設などを受け持つ科技庁は「原子力安全管理事務所」などと異なる名称を使う。




■ 県弁護士会が安全協定締結反対を表明(2000.6.10)

 使用済み核燃料本格搬入に向けた安全協定について、県弁護士会(浅石晴代会長)は九日、県政記者クラブで会見、協定締結への反対を表明するとともに、県、村が公表した協定案の問題点を指摘した。声明は同日付で県、六ケ所村、日本原燃と国に対して文書を送付した。

 浅石会長は「核燃料サイクル施設立地について県民の合意形成が十分でない上、使用済み燃料の永久貯蔵場にされる懸念がある」などとして、施設の立地そのものを再検討し、使用済み核燃料の搬入を中止するよう主張した。

 また、県、村が四月末公表した協定案の内容については(1)風評被害の因果関係は事業者が立証すべき(2)防災対策範囲を六ケ所村と隣々接市町村へ拡大すべき−など七点を指摘した。

 同会の浅石紘爾公害委員長は「試験用燃料搬入のための安全協定の際も声明を発表し、提言してきたが、施設に反対する側の意見は一顧だにされていない。また無視するとすれば、知事、村長の職務放棄だ」と述べた。




■ むつ再建問題で14日、金融機関に説明会(2000.6.10)

 むつ小川原開発の再建問題で、国土庁は十四日、東京都千代田区・如水会館で三十六民間金融機関に対する説明会を開き、一律六九%の債権放棄を伴うむつ会社処理策について民間金融機関の同意を求める。

 七月に予定される新会社発足を前に、国側は今回の説明会を最後の詰めと位置づけている。二日には国土庁の上野裕・長官官房審議官らが青森銀行、みちのく銀行を訪問、「むつ会社の整理と新会社の設立は、東北五行を除く民間金融機関の了承をほぼ得ている」と説明、両行の協力を求めた。

 両行は「説明会の内容を十分聞いた上で、処理策を了承するか判断する」としており、具体的な開発プラン、負担軽減の面で何らかの進展があれば、処理問題は決着に向け大きく進展する可能性が高い。




■ ウラン濃縮の遠心機を分解調査へ(2000.6.9)

 日本原燃(本社青森市)は八日、生産運転を四月に停止させた六ケ所ウラン濃縮工場の生産ライン(カスケード)の一つ「RE−1A」を分解調査するために、設計・工事方法の認可を科学技術庁に申請した。分解調査は遠心分離機の停止原因を明らかにするために行うもので、認可を受け次第着手し、本年度中に終了したい考えだ。

 六ケ所ウラン濃縮工場には生産ラインが七系統あるが、今年三月末現在で七千四百三十八台の遠心分離機が停止している。このうち、RE−1Aは四千二百四十台と全体の五七%を占め、電力会社から委託されたウラン濃縮度を維持できない恐れが出てきたために生産運転を停止させた。

 同社は、モーターの発熱の影響で温度が高くなった遠心分離機の回転胴にウラン化合物が付着し、回転胴がバランスを崩したことが遠心分離機の停止原因と推定しているが、正確な原因は分からなかった。

 分解調査は、健全な遠心分離機と運転中に停止した遠心分離機の比較検討ができるように八台を対象に行う。遠心分離機の配管切断や分解を行い、ウラン化合物の付着状況を観察するとともに、部品の状態についても確認する。必要があれば、ウラン濃縮原型プラントがある核燃料サイクル開発機構人形峠環境技術センター(岡山県)に部品を持ち込んで詳細な調査をする。

 六ケ所ウラン濃縮工場の生産能力は年千五十トンSWU(分離作業単位)で、原発約九基分の濃縮ウランを供給することが可能だが、RE−1Aの停止により生産能力は九百トンSWUに低下している。




■ 使用済み核燃料安全協定で六ケ所村議会全員協(2000.6.9)

 六ケ所再処理工場への使用済み核燃料本格搬入の前提となる安全協定について、六ケ所村の橋本寿村長はは八日開かれた村議会全員協議会で議員の意見を聞いた。議員からは、防災道路早期建設の確約を取ってほしい−など、締結に当たっては国・県に対し強い態度で望むよう求める意見が相次いだ。

 終了後、記者会見した橋本村長は「防災などに関する不安払しょくの必要性をあらためて感じた。今後、庁議を開いて意見集約を図り、(協定締結に)慎重に対応したい」と述べた。

 全員協議会では四人の議員から「建設中の再処理工場に向かう大型車両などで交通量が増大し、倉内・平沼地区の国道338号は朝の渋滞がひどい。農道にも入ってくるため農作業に支障を来している。締結の前に、県から道路整備の確約を取ってほしい」「県に交付される核燃料税は、村の交通のインフラ整備に充てるよう県に要望すべき」など、防災道路に関連する意見が出た。

 また、核燃施設から除染処理後、海中に放出される液体について「漁民の不安解消のため、二十四時間体制で監視することを協定に盛り込むべき」という意見や、「(施設の安全性などに)不安を持っている村民は多く、締結に反対する声もある。しっかり耳を傾けた上で対処してほしい」という要望もあった。




■ むつ新会社社長に経団連の永松氏内定(2000.6.8)

 むつ小川原開発地域の土地分譲事業を引き継ぐため、七月にも設立される新会社の社長に経団連常務理事の永松恵一氏(55)が内定した。経団連が内部の人材を新会社に送り出すのは、国や経団連主導で始まった開発計画に対して、引き続き責任の一端を担う姿勢を示したものとみられる。

 永松氏は茨城県出身。東北大学経済学部を卒業後、昭和四十二年に経団連事務局に入局。産業本部長などを歴任し、先月二十五日に開かれた経団連総会で常務理事に昇進したばかり。

 国土庁や県、経団連など関係五者は七月をめどとした新会社設立に向けた協議を進めており、債務処理策に対する民間金融機関側の了承を今月中に得られるかが焦点となっている。




■ 液晶産業集積構想の骨子まとまる(2000.6.7)

「クリスタルバレイ構想」検討委員会に提出する中間提言の骨子案をまとめた検討委員会幹事会
 むつ小川原開発地域に液晶関連産業の集積をめざす県の「クリスタルバレイ構想」検討委員会幹事会が六日開かれ、中間提言の骨子が大筋でまとまった。それによると、同地域に液晶を中心とした平面パネル(FPD)とFPD活用産業を集積し、国際競争力のある生産拠点を形成する。そのため企業の要望に応じた「オーダーメード貸し工場制度」の創出や、税金の減免、電気料金の大幅割引など思い切った優遇施策を打ち出すべきだとしている。

 基本構想では、産業集積エリアを百ヘクタールと見込んだ。日進月歩のハイテク分野のため誘致のスピードを重視し、平成十三年には企業立地にめどをつけ、十四年の一部操業開始を目指すという目標を掲げた。  企業誘致の施策として打ち出すのは「貸し工場制」。企業側の注文を受けて工場建物を建設、貸し付ける仕組みをつくる。工場用地、機械設備もリース式とし、企業の初期投資を大幅に軽減する。

 このほか、電気料金の割引措置、固定資産税などの減免、人材育成や研究機関の整備、レベルの高い住宅環境の整備、八戸市と結ぶ弾丸道路の建設−など多方面からの施策を提言する。

 この日の幹事会では、委員から「交通アクセスの整備が急務だ」「建物や機械は高価。リスクを抱えるリース会社にも優遇措置ができないか」「人材不足を補うため六十歳以上の技術者活用を」「国際貢献を視野に入れた理念を構築すべき」などの意見、提言が出た。

 また、委員から提案のあったサハリン天然ガス・パイプラインによるエネルギー基地構想についても、構想に組み込むか付記する方向で検討する。

 中間提言骨子案は十四日の検討委員会を経て、今月末に木村知事に報告される。県は来年度予算に具体的な施策を盛り込み、国に対しても概算要求に向け必要な制度や予算を求めていく。

平面パネル

 奥行きがあるブラウン管に対し、平面の表示画面という意味でフラットパネル・ディスプレー(FPD)と呼ばれ、急激な成長が見込まれる産業分野。液晶(LCD)をはじめ、自ら発光するため背光がいらないプラズマディスプレー(PDP)、屋内外の大型表示に使われる発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(有機EL)などがある。特にPDPは大型化に有利でどの角度でもよく見えるため、壁掛け用テレビ画面の最有力候補とされている。

 ◇

 県が国内の液晶関連企業を対象に行った調査によると、回答企業四十四社の四割がクリスタルバレイ構想に対し「関心がある」と答えた。

 県は「これまで二十年かけて、むつ小川原に一社も立地がなかったことを考えると、関心を寄せる企業が十数社もあるというのは大変な意義がある」としている。

 調査では、液晶産業の市場性について全社が「規模拡大の可能性がある」と回答。
 国内で今後伸びる分野としてモバイル端末や携帯電話の表示パネル、平面パネルのテレビ、カーナビ画面などを挙げた。
 十七社が今後五年間に「国内での設備投資を検討している」とし、うち十三社が新規の立地を計画している。設備投資で最も重視するのは「コスト」、次いで「交通アクセス」「周辺環境」などを挙げた。

 調査は県が民間シンクタンクの日本システム開発研究所に委託して行った。パネルディスプレイの製造にかかわるメーカー三百八十三社にアンケートを郵送、一一・五%に当たる四十四社から回答を得た。




■ 六ケ所村長、安全協定「慎重に判断」(2000.6.7)

 六ケ所再処理工場への使用済み核燃料本格搬入の前提となる安全協定締結について、六ケ所村の橋本寿村長は六日開かれた同村議会で、五月に村内六地区で開いた村民説明会の意見・要望と、議会終了後に開く議員全員協議会の意見を踏まえ、総合的な判断したい−との考えをあらためて示した。議員の一般質問に答えた。

 同村長は「(東海村臨界事故などを背景に)村民説明会では安全性に対する不安の声が多く聞かれ、避難道路、緊急医療体制の整備や事業に対する積極的な情報公開など、より具体的な安全体制の確立を求められた。今回の協定は従来に増して安全性を第一義にすることが重要であり、慎重に判断したい」と述べた。

 また、プルサーマル計画の遅れから、搬入された使用済み核燃料が再処理されず、貯蔵されたまま残るのではないかという不安が村民にある−との質問に対し、同村長は「平成十年七月に県、村と日本原燃の三者は、再処理事業の実施が著しく困難となった場合、日本原燃は施設外への搬出を含め速やかな処置を講じる旨の覚書を締結している。永久貯蔵されるとは考えていない」と答弁した。




■ 量子科学立地構想で検討会が最終会合(2000.6.6)

 国、県、六ケ所村が、むつ小川原開発地域への量子科学研究機構立地の可能性を探る第四回検討会が五日、同村役場で開かれた。

 会合では、同機構構想の中核となる放射光施設の研究活動について(1)地域の特性を生かした発展性のある研究を行う(2)可能な限り経済性を考慮し実現性の高いものを探る−などの留意点を確認した。検討会は今回で終了。今後は県が検討会の意見を踏まえ、科学技術庁の交付金制度を活用して施設利用と管理運営の観点から基礎調査を行う。

 終了後、科技庁の村田貴司核燃料課長、蒔田弘一県むつ小川原開発・エネルギー対策室長、同村の田邊裕教育・研究機関立地計画室長が会見。これまでの会合での提言をまとめ、県内の大学や研究機関と連携できる放射光利用の有望な研究分野として、動物の自然発生がんを用いた基礎研究、医療・生命科学分野の産業誘致につながるタンパク質構造解析、花き類の新品種開発研究などを挙げた。

 また、施設の規模は、これら研究分野の実施可能性と設置・運営に必要な資金量を踏まえて設定することが必要−とした。




■ 安全協定めぐる公開質問状に県が回答(2000.6.6)

 市民団体「核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会」(平野良一委員長)は五日、使用済み核燃料搬入の安全協定に関して、同会が県に提出していた公開質問状に対する回答を公表した。

 同会の質問は四十六項目。このうち、不透明になっているプルトニウムの利用見通しについて、県は「国によると、六ケ所再処理工場により回収されるプルトニウムが利用できるようになった段階で利用していくとのことであり、利用が図られていくものと承知している」と、現時点では新たな需給計画を国に確認する意思がないことを示した。

 核燃料サイクル施設の存否を問う県民投票の実施については「考えていない」として、県議会の議論や意見を尊重して方針を示した。

 平野委員長は「総じて国や事業者の広報のオウム返しに過ぎず、安全確保を第一義に慎重に対処する、という言葉が空虚に聞こえてくる」と県の対応を批判している。




■ 再建問題で青銀が今月中にも結論(2000.6.3)

 むつ小川原開発の再建問題で、青森銀行は二日、国土庁と経団連に対し、債権放棄などを求めたむつ会社の処理案に同意するかどうかは、七月に予定される新会社設立前に結論を出す方向だと伝えた。
 この日は、国土庁の上野裕・長官官房審議官、経団連の永松恵一常務ら三人が、青森市の青銀、みち銀両行を訪れた。

 国と経団連側は(1)むつ会社の整理と新会社の設立は、東北五行を除く民間金融機関の了承をほぼ得ている(2)六月中旬に金融説明会を開き、最終的な説明の場としたい−とし、両行に協力を求めた。
 青銀は三浦恒義専務らが応対。東北五行の合意の手続きが残るとしたものの、「当行としては、新会社発足のスケジュールを意識している」と述べ、債権放棄の負担面で配慮がみられれば了承の方向で結論を出すことを示唆した。

 一方、みちのく銀行は栗田貢専務らが応対した。同行は「六月中旬に開かれる説明会の内容を十分聞いた上で判断する」としている。




■ 日本原燃が再処理工場の一部設工変更を申請(2000.6.3)

 日本原燃は二日、科学技術庁に対して、既に認可を受けている再処理工場の一部施設について、設計と工事方法を変更する申請をした。変更認可申請は十四回目。

 主な変更内容は、前処理建屋と精製建屋間の地下道内に敷設する冷却水設備の安全冷却水系配管に弁を追加する。再処理工場の保守性や作業性を向上させるための変更だという。

 また、同社は同日、濃縮・埋設事業所の研究開発棟に関する核燃料物資の使用について科学技術庁から変更許可を受けた。研究開発棟に設置する質量分析装置を当初予定の二基から一基に減らす。




■ むつ小川原で国内最大級風力発電(2000.6.2)

 ベンチャー企業「エコ・パワー」(本社東京、片野俊雄社長)が六ケ所村のむつ小川原開発地域に、出力千五百キロワットの大型風車二十二基からなる風力発電基地を建設することが一日、分かった。合計出力は三万三千キロワットで国内最大級。むつ小川原開発の新会社が七月に設立されれば、事業再建後の初めての企業立地となる。

 風力発電基地は今秋着工し、十三年度に九基、十四年度中には全二十二基を稼働させる計画。自家消費以外の電力はすべて売電する予定で、東北電力の合意も取り付けた。建設費は約六十億円。建設用地は新会社から年約一千万円で賃貸することにしている。

 エコ・パワーは平成十年十月からむつ小川原開発地域で風況調査を進め、商用化が可能と判断した。片野社長が二日、山口柾義副知事を訪問し、計画推進に協力を求める。

 クリーンエネルギー事業は、県や国土庁、経団連など関係五者がまとめた新会社の土地分譲計画や、県が策定した新むつ小川原開発基本計画の骨子案の中に盛り込まれているが、計画が具体的したのは初めて。土地分譲事業に弾みがつくものと関係者は期待している。

 同社は風間浦村と東通村、野辺地町で四百キロワットの風車五基を運転中で、東通村にも三万−四万五千キロワットの風力発電基地を計画している。このほか、中堅商社トーメンが東通村に五万−六万キロワットの基地を計画、三井物産も深浦町に一万−二万キロワットの基地を造ることを表明しており、県内は風力発電ブームとなっている。




■ 「クリスタルバレイ構想」検討委会長が現地視察(2000.6.2)

 むつ小川原開発地域に液晶関連産業の集積を目指し県が設置した「クリスタルバレイ構想」検討委員会の唐津一会長(東海大教授)が一日、六ケ所村の現地を視察した。唐津会長は液晶にこだわらず広い範囲で立地の可能性を探るべきだとし、具体的には平面パネル(FPD)産業の誘致が有望だと述べた。唐津会長は六ケ所村役場で開発地域の説明を受けたあと、大河原隆商工政策課長ら県、村、むつ小川原開発会社の職員と工業用地七地区を回り、地形や水系、港湾の整備状況などを視察した。

 同会長は「新しい可能性がたくさんある地域」と感想を述べ、「ハイテク関連なら、もうすぐ大量生産に入るプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)など(液晶以外の)薄型平面パネルの工場を引っ張ってくると当たるかもしれない」と指摘。平面パネルは確実に半導体に匹敵する日本の大きな産業になるとして「成長期にある産業のスタートポイントをつかむことが大事だ」と強調した。

 また「企業立地は、地理的条件でなく人脈で決まる」として、唐津会長自らきっかけづくりに協力すると述べた。同会長は松下通信工業常務から松下電器産業技術顧問などを務め、現在は東海大教授、電通顧問。通産省産業技術審査会委員などの公職がある。
 平面パネルは、バックライトが必要な液晶のほか、自ら発光するPDP、発光ダイオード(LED)などがある。特にPDPは大型化と薄型化が実現でき、壁掛け用テレビの画面の最有力候補として成長が見込まれている。




■ 原子力計画会議分科会がプルサーマル維持の報告書(2000.6.2)

 国の原子力開発の指針となる原子力開発利用長期計画について、原子力委員会が設置した計画策定会議の分科会(座長、近藤駿介東大教授ら二人)は一日、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を軽水炉で使うプルサーマル計画を維持することを盛り込んだ報告書をまとめた。

 報告書は、プルサーマル計画は将来のプルトニウム本格利用時代に備えた産業基盤整備などにも役立つ、と指摘。電力会社が二〇一〇年までに十六−十八基の軽水炉に導入する現在の計画を踏襲した。  六ケ所村に日本原燃が建設中の再処理工場に続く第二再処理工場については、使用済みのMOX燃料も再処理する可能性を示し、二〇一〇年ごろから検討を開始するとした。

 今後のプルトニウムの需給に関しては、海外再処理からの回収分として二〇一〇年までに約三十トンが、また二〇〇五年に操業予定の日本原燃の再処理工場で毎年五トンがそれぞれ供給されるのに対し、需要は、プルサーマルで一基あたり毎年〇・三−〇・四トン、高速増殖炉の研究開発用に年数百キロ、との試算を示した。




■ 再建問題、地元地銀が着地点探る動き(2000.6.1)

 破たんしたむつ小川原開発会社(本社東京)の処理と再建は、青森銀行、みちのく銀行など民間金融機関の同意取り付けが焦点となっている。七月には新会社発足が予定されており、国や経団連などは“最後の詰め”を念頭に本格的に金融機関の説得に入る。一方、地元地銀のトップからは経団連の支援策などを評価する言動が目立ち始めた。新会社設立のスケジュールを前に、互いに着地点を探る“攻防”が活発になりそうだ。

 青銀、みち銀など東北五行は一律六九%に上る債権放棄と新たな出資に抵抗。応じる条件として(1)具体的な開発の方向性の明示(2)処理スキームにおける国(旧北東公庫=日本政策投資銀行)の債権一〇〇%放棄−の二点を挙げていた。

 前者は何の具体的事業プランも示されない新会社に出資しても旧会社の二の舞いになりかねない−という主張。後者は国策に対し協力してきた地方、民間に失敗のしりぬぐいを押し付けることへの反発だ。加えて、唯々諾々と約三十数億円にも上る巨額の債権放棄に応じては、下手をすると株主代表訴訟を起こされかねないという懸念もあった。

こう着状態が進展

 ところが四月に入り、こう着状態だった事態に進展の兆しが見え始めた。国土庁など関係五者が、エネルギー環境関連を含むプロジェクトを対象とした分譲など新会社の事業計画案を示し、経団連は総額三十億円相当の支援策を打ち出した。

 呼応するように青銀の井畑明男頭取は「法的破産に至らず、開発を継続する意思を確認できた。本県にとってよいこと」といち早く前向きの評価を表明。

 これまで一貫して国や経団連の姿勢を批判してきたみち銀の大道寺小三郎会長も「経団連はいい方向に変わってきた」と発言。さらに経団連のむつ会社支援基金に二千万円を拠出する意向を示した。債権問題はひとまずおいて、新会社には協力する意思を示した格好だ。経団連は「金融機関から出資の申し出があるとは想定しておらず、うれしいお話と返事した」と驚く。

今月が最大のヤマ場

 変化の兆しは東北五行が五月二十六日、あらためて行った要請にもうかがえる。内容はこれまでの主張を踏襲した形だが、国に求めていた「債権全額放棄」の表現は姿を消し「国の負担を増やし、地銀の負担軽減」というぼかした言い回しになった。

 むつ会社は任意整理であり、すべての民間金融機関の了承を得ないと清算できない。地銀側としては「振り上げたこぶしの下ろしどころ」を模索しながら、最大限の効果を引き出したいところだ。

 この六月には、国土庁と経団連の地銀訪問、都内での金融説明会が予定されている。青銀は「新会社発足のスケジュールに合わせ、これから話し合いの機会が出てくる」(三浦恒義専務)と期待感を示し、みち銀は表向き「新会社の発足時期なんて全く念頭にない」(大道寺会長)とぎりぎりまで抵抗する構えを崩さない。それぞれ表現の差はあるが、今月を最大のヤマ場とみて着地点を探る動きが本格化しそうだ。
(政経部・河田喜照記者)




■ 高レベル廃棄物法を知事が評価(2000.6.1)

 高レベル放射性廃棄物の処分手続きを定めた「特定放射性廃棄物最終処分法案」が三十一日に成立したことで、県と六ケ所村は「最終処分に向けた具体的な取り組みの一つの段階」と一定の評価をした。一方、核燃料サイクルに批判的な市民団体は「何も内容のない法律だ」と批判、使用済み核燃料搬入の安全協定締結の動きが加速されることに警戒感を強めている。

 木村守男知事は「政府・関係省庁が処分実施に向けた取り組みをそれなりに強めてきたとの感慨がある。(候補地選定は)国民のコンセンサスを得ながら、誠意を持って処していくことが大事だ」と述べた。安全協定締結への影響については「慎重に総合判断していく」として明言を避けた。

 六ケ所村は「立地村としては法律に基づき早期に実施主体を設立し、最終処分の検討が少しでも前倒しされることや、安全規制の検討に努めるように求めたい」との橋本寿村長名のコメントを出した。日本原燃は竹内哲夫社長名のコメントで「最終処分に向けた大きな第一歩となるもので大変喜ばしい」とした。

 一方、市民団体・核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会の平野良一代表は「二〇〇〇年に実施主体を設立させるという知事との約束を守るために作った不備な法律であることは、科学技術庁の担当者も認めている。国や事業者には、とにかく高レベル廃棄物や使用済み核燃料を青森県に搬入したい、という考えしかないのだろう」と冷ややかだ。

 原子力委員会の高レベル放射性廃棄物処分懇談会委員を務めた石橋忠雄弁護士(青森市)は「一歩前進だとは思うが、着実な一歩とは言い切れない。情報公開と住民参加のあり方、地下研究施設と最終処分地を明確に切り離す仕組みづくりといった課題を解決しなければ、地層処分の研究開発さえ決して前に進まないだろう」と指摘している。




■ 日本原燃、新取締役6人内定(2000.6.1)

 日本原燃は三十一日、松岡伸吾安全技術部長と米田守宏業務部長ら六人を取締役に新任する役員人事を内定した。高岡敬展、山下博両専務は退任する。六月三十日の株主総会後に正式決定する。他は内定者は次の通り。

 ▽取締役 磯部靖一郎(九州電力玄海原子力発電所長)山崎勝彦(中部電力立地環境本部環境部長)山路順一(科学技術振興財団理事)南山英雄(北海道電力社長)▽監査役 西室泰三(東芝社長)増田信行(三菱重工会長)▽退任 林正美(取締役)飯尾博一(同)泉誠二(同)飯田庸太郎(監査役)佐藤文夫(同)

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