2010年3月13日(土) 東奥日報  

あおもり注目技術・研究

■ 乾燥粉末を開発、活用/カシス・ファイバー商品化へ/県産技センター工業総合研究所


カシス・ファイバー(写真上)を原料に加え試作した加工食品(同下)
 カシスは、全国の9割が青森市で生産されており、東北新幹線全線開通をにらんだ土産品の目玉としても期待されている。ジャムなどのほか多様な食品の原料に果汁が用いられる一方、果汁を搾った残渣(ざんさ)が多量に発生しており、有効利用のための技術が求められていた。

 工業総合研究所では、県内の食品加工メーカーから残渣利用の相談を受け、これまで培った規格外農産物や加工残渣の乾燥に関する研究を生かし、カシス搾汁残渣からの製品開発を試みた。

 搾汁残渣を温風乾燥すると、赤紫色のカシス本来の色調が黒褐色に変化し、商品価値が著しく低下する。そこで、乾燥の方法や温度と時間を検討し、色調を損なわずに乾燥させる方法を確立した。

 こうして出来上がった粉末を「カシス・ファイバー」と名付け、パンやムース、ケーキのクリーム原料に加えたところ、赤紫色が映えて見た目に美しく、カシスの香りがほのかに感じられる製品となり、試食会で好評を得た。

 カシス・ファイバーには、必須脂肪酸であるγ−リノレン酸や抗酸化効果を持つ色素(アントシアニン)が豊富に含まれることも判明した。現在、食品加工メーカーと共同で、カシス・ファイバーの製造工程の構築と商品開発に取り組んでいる。

 研究所では、カシスのほかにも乾燥粉末化技術を活用した素材から、化粧品や保湿剤などの開発を進めている。関心がある方はお問い合わせ願いたい。

 ▽問い合わせ先=青森県産業技術センター工業総合研究所環境技術研究部長・内沢秀光(電話017.739.9676、eメール=hidemitsu_uchisawa@aomori-itc.or.jp)

※「@」を半角にしてください



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