2010年2月13日(土) 東奥日報  

あおもり注目技術・研究

■ 箱に通気穴や消石灰/輸出リンゴの炭酸ガス障害防止/県産業技術センターりんご研究所


「早生ふじ」で見られたリンゴの炭酸ガス障害の例
 日本からの輸出リンゴは9割以上が台湾に輸出されている。その大半が本県産とされ、台湾向けリンゴは関係機関の努力によって2万トンを超えるまでに増えた。だが、2008年産リンゴでは、世界不況の影響により販売が振るわなかったことに加え、輸送中の炭酸ガス障害とみられる果肉褐変が多発し価格が低迷した。

 炭酸ガス障害による褐変は、リンゴを密閉性の高い容器に長時間保管すると、リンゴ自身の呼吸によって容器内の炭酸ガス濃度が高まり、果肉の細胞が呼吸障害を起こすため発生する。

 りんご研究所では、この炭酸ガス障害を防止するため(1)既存の発泡スチロール製の出荷箱(2)二酸化炭素を吸着する50グラムの消石灰資材を入れた出荷箱(3)発泡スチロールに直径1.4ミリの小さな穴をたくさん開けて通気性を高めた出荷箱を準備し、それぞれに「早生ふじ」と「サンふじ」、「有袋ふじ」を詰め、褐変の発生を比較した。

 なお、冷蔵コンテナ船による輸送とその後の台湾での流通を想定し、0度で10日間冷蔵し、さらに20度で10日間保管した後に果肉を観察した。

 この結果、褐変は既存の発泡スチロール箱で「早生ふじ」の50%、「サンふじ」の19%、「有袋ふじ」の11%に認められたが、消石灰資材を入れた出荷箱と、穴を開けた発泡スチロール箱では全くみられなかった。輸出リンゴの炭酸ガス障害は、穴開き発泡スチロール箱を用いるか、消石灰資材を入れることで防げることが判明したので、活用願いたい。

 ▽問い合わせ先=青森県産業技術センターりんご研究所栽培部長・長内敬明(電話0172-52-2331、eメール=yoshiaki_osanai@aomori-itc.or.jp)

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