| 2009年10月24日(土) |
既に今年から家庭用の燃料電池が販売されており、燃料電池自動車も実証試験の段階にある。一方、携帯電話やパソコンなど小型機器用には、アルコールの一種であるメタノールを燃料とする「直接メタノール形燃料電池」の開発が期待されている。 そこで、当研究所では直接メタノール形燃料電池を構成する主要部材である電解質膜の研究に取り組んできた。電解質膜は、プラスの電荷を帯びた水素イオンを一方向に運ぶ厚さ50マイクロメートル程度の薄いフィルムである。この働きを通じてマイナスの電荷を帯びた電子が流れることにより電気が発生するため、燃料電池の性能に大きな影響を与える。 これまで、電解質膜にはフッ素樹脂が用いられてきたが、高価な上に廃棄時に環境に与える影響も問題となっていた。当研究所では、環境に優しい電解質膜を作るため、海藻から抽出されるアルギン酸などの天然素材を原料とする製品の研究を続けた結果、昨年、木材に含まれるセルロースから安価で発電効率の高い電解質膜を作ることに成功した。 実用化には、耐久性の向上、セルロースに適した電極触媒の開発、量産技術が求められる。セルロース原料の電解質膜は微生物によって分解されるため環境への影響が少ない利点があることから、現在も鋭意研究を進めている。 ▽問い合わせ先=地方独立行政法人青森県産業技術センター工業総合研究所・葛西裕(電話017-739-9676、eメール=yutaka_kasai@aomori−itc.or.jp) ※「@」を半角にしてください |