2009年9月12日(土) 東奥日報  

あおもり注目技術・研究

■ 果実の生育調整検討/「ふじ」のつる割れ対策/青森県産業技術センターりんご研究所

リンゴの断面に見える内部裂果(矢印部分)
収穫したリンゴに現れた「つる割れ」
 県産リンゴの主力品種「ふじ」は、味がよく貯蔵性にも優れていることから、国内リンゴ生産量の半数を占める。ただ、つる割れと呼ばれる裂果が最近多く発生し問題となっているが、今のところ袋かけ以外には有効な対策がない。

 そこで、りんご研究所は、つる割れの発生要因の解明と、無袋栽培での防止策の研究に取り組んでいる。

 収穫期前の果実を割ると「内部裂果」と呼ばれる亀裂が、つる元に見られることがある。これまでの研究から(1)内部裂果は8月下旬ごろから発生し始め、その後拡大してつる割れに至る(2)夏の降雨が多いほど果実の肥大が進み、多く発生する−などが分かってきた。

 さらに、果肉と果皮の特定の遺伝子を解析した結果、果肉の細胞が夏に伸長のピークを迎えるのに対して、果皮の細胞は果肉よりも遅い時期にならないと伸長しにくいことが分かった。

 このことから、つる割れの原因となる内部裂果は、果肉の成長に果皮の成長が追いつかない場合に発生すると考えられる。

 したがって、降雨による果実の急激な肥大を緩和し、内部裂果を発生させないことが、つる割れ対策の決め手といえる。

 現在、つる割れ対策として、樹皮を切り取って樹勢を弱める方法(環状剥皮=はくひ)、植物ホルモン剤を処理して果実の生育を調整する方法、雨が根に染み込まないようリンゴ樹の下に覆い(マルチ)を敷く方法などを検討しており、生産現場への早期普及を目指している。

 ▽問い合わせ先=青森県産業技術センターりんご研究所研究員・葛西智(電話0172-52-2331、eメール=satoshi_kasai@aomori-itc.or.jp)※「@」を半角にしてください



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