2009年5月23日(土) 東奥日報  

あおもり注目技術・研究

■ 子牛の放牧で収益アップ/豊富な草資源を活用/県産業技術センター畜産研究所

 
 肉用牛の生産は、子牛を産ませて一定期間育てて販売する子牛生産農家と、子牛を買って食肉出荷まで育てる肥育農家によって行われる。本県では、豊富な草資源を活用した肉用牛の放牧が進められており、その優位性を生かした公共牧場は百カ所ある。全国で三番目の多さだ。

 しかし、放牧育成した子牛は、牛舎で飼料を与えて育てた子牛(舎飼育成子牛)に比べて体重が軽く販売価格が安いため、近年は放牧が減っている。

 そこで、畜産研究所では、放牧育成と舎飼育成の牛を比較試験して、放牧の効果や経済性の検討を行うことにした。牛による遺伝的な違いが出ないよう、本研究所が開発し、普及を進めている受精卵移植技術で生産した一卵性双子の牛を用いた。

 試験の結果、百日程度放牧した子牛は、舎飼育成子牛に比べ体重が四十キロほど軽かったが、その後の肥育期間での体重が増加し、食肉出荷段階での体重と肉質には差がなかった。

 経済性の比較では、子牛生産農家の場合、放牧育成は子牛の体重が軽く売却価格は安いが、餌代が少なくてすむため収益が一頭当たり三万九千円上回った。また、肥育農家の場合では、価格が安い放牧子牛を購入することで、舎飼子牛に比べ収益が四万四千円増えた。

 この比較試験により、放牧育成には子牛生産農家と肥育農家の双方にメリットがあることが分かった。今後は具体的なデータを示しながら、豊富な草資源を有効活用した低コストで安全・安心なあおもり和牛づくりの普及拡大に努めたい。

 ▽問い合わせ先=青森県産業技術センター畜産研究所繁殖技術肉牛部長・石山治(電話0175-64-2233、eメール=osamu_ishiyama@aomori-itc.or.jp)

※「@」を半角にして下さい。


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