本紙記者が見た!下北半島観光の魅力



 本州最北の地・下北は、旅情を誘う見どころにあふれている。「下北半島観光の魅力」後編は、津軽海峡や北海道を望む大間崎、神秘的な景観が広がる仏ケ浦など下北ジオパーク(大地の公園)、新たな名産品として注目されるご当地ワインやグルメスポットの魅力を紹介する。

【秘境】


「如来の首」と呼ばれる岩。右側を向いているように見える 長い年月を経て形作られた奇岩が林立する仏ケ浦
 津軽海峡の荒波が打ち寄せる断崖に、白緑色の奇岩が連なる佐井村の名勝・仏ケ浦。約2千万年前の火山活動と長年の風雪により、あたかも無数の仏像が立ち並ぶかのような神秘的な景観が形作られた。古くから地元住民の信仰の地とされてきた海岸は今、下北半島西端の秘境として多くの観光客を集める。
 仏ケ浦は、むつ市中心部から西に約30キロ、まさかりの形をした下北半島で「刃」の部分に位置する。佐井港を発着する定期観光船からは、縁結びの岩とされる「願掛岩」などが望めるほか、仏ケ浦の岩場に上陸すればさまざまな奇岩群を間近に見ることができる。
 奇岩には、それぞれの形状に応じて呼び名が付けられており「如来の首」「五百羅漢」など、仏教にちなんだ呼び名が多い。池に浮かんだハスの花を思わせる「蓮華(れんげ)岩」など、訪れる人々は自然の造形とは思えない神秘的な光景に驚きの声を上げる。
 高校時代の同級生とグループで訪れた広島県尾道市の熊谷隆司さん(68)は「以前から下北に来てみたいと思っていました。仏ケ浦へ来てみて、独特の光景と迫力に驚かされました」と話していた。





【眺望】

大間崎に立つマグロのモニュメントから弁天島を望む 大間マグロとの食べ比べが楽しめる大間牛のすき焼き定食
 津軽海峡を挟んで北海道を望む大間町は、高級クロマグロが水揚げされることで知られる。大間崎に立つ本州最北端の石碑とマグロのモニュメントは、記念撮影の名所として観光客におなじみ。町では名産の大間牛をマグロに続く人気商品に育てようと「陸(おか)マグロ」として売り出し中だ。
 大間崎の沖合約600メートルの「弁天島」には、日本の灯台50選に選ばれた大間崎灯台が立つ。晴れた日は、北海道・渡島連峰を見渡すことができる。
 大間町を含む下北から上十三地域は、藩政期まで南部馬の放牧場が置かれていた地域。こうした歴史的背景もあり、海峡から潮風に運ばれたミネラルたっぷりの牧草で育つ黒毛和種「大間牛」も人気が高まりつつある。
 町営内山牧場近くの「おおま温泉海峡保養センター」では、イベントでしか食べられなかった大間牛を定番メニューとして提供中。マグロの大トロと、大間牛の霜降り肉を食べ比べできるコースなどを用意している。



【体験】

棒でイカをつついて着順を競う「元祖烏賊様レース」(風間浦村活イカ備蓄センター提供)
 津軽海峡に浮かぶイカ釣り船のいさり火は、夏から秋にかけての下北の風物詩。風間浦村の活イカ備蓄センターでは、水揚げされたばかりのスルメイカで「元祖烏賊様(いかさま)レース」を楽しめる。
 レースは、スルメイカ漁が本格化する7~11月の恒例イベント。活イカを買い求めた参加者が、馬主ならぬ「イカ主」になってレースに参加し、全長約20メートルのコースでイカを棒でつついて泳がせ着順を競う。
 レースは威勢の良いファンファーレとともにスタート。棒でつつかなくても勝手に泳ぐイカがいるかと思えば、コースを逆走し始めるイカや、勢いよく水を吐き出すイカなどさまざまだ。レース優勝者には村の特産品が贈られるとあって、シーズン中は多くの観光客や家族連れでにぎわいを見せる。
 烏賊様レースは、期間中は週2回ほどのペースで開催される。買い求めたイカは、その場で刺し身にして味わうこともできる。

下北ワインがずらりと並ぶサンマモルワイナリーの店内。ブドウジュースの試飲もできる
 下北発の新たな名産品として注目を集めるのが「下北ワイン」だ。フランス原産ブドウのピノ・ノワール種を原料にした「Ryo(リョウ)クラシック2014」が昨秋の日本ワインコンクールで金賞に輝くなど、品質への評価も高い。
 下北ワインの製造・販売を手掛けるのは、むつ市川内町のサンマモルワイナリー。川内地区がブドウの栽培に適した気候帯「ワインベルト」(北緯30~50度)に位置し、気候がフランスのワイン産地・ブルゴーニュ地方と似ていることから、ワイン造りに取り組んだ。
 自社農場「エムケイヴィンヤード」ではピノ・ノワールのほか、ドイツ原産の「ライヒェンシュタイナー」なども栽培している。
 ワイナリーでは、下北ワイン各種だけでなく、陸奥湾から吹く風、園地を囲む豊かな自然の中で育ったブドウのジュースを味わうこともできる。


【食の魅力】

下北の食の魅力を一堂に集めた下北名産センター。多くの海産物や加工品が並ぶ 観光客に人気の「大湊海軍コロッケ」
 国道279号・はまなすライン沿いにある「下北名産センター北彩市場」(むつ市大曲2丁目)は、食の魅力を一堂に集めた大型ドライブイン。鮮度抜群のホタテガイやイカ、土産向け珍味、お菓子など下北各地のグルメが並んでいる。
 下北巡りの大型観光バスが次々にやって来る人気のお土産・昼食スポット。レストランでは、郷土料理「みそ貝焼き」やホタテの刺し身などを味わえる。
 中でも観光客に人気なのがご当地グルメの「大湊海軍コロッケ」だ。旧海軍、自衛隊基地が置かれた大湊ならではのメニューで、高温の牛脂で揚げたカリッと香ばしいコロッケはボリュームたっぷり。コロッケの具も、イカやホタテ、ニンニク、東通牛などのバリエーションがある。
 大湊海軍コロッケは同市場のほか、市内飲食店などでも、それぞれ自慢のレシピで提供している。



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