多彩な素材を商品化し観光促進/八戸の町田さん、地域とともに前進

 観光の素材はあるが商品化されていなかった。その時期にしかない旬の素材はあるが商品化されていなかった-。「青森県は素材の宝庫。例えば八戸は海のまち、日本一のイカのまちだが、地域をどうプロデュースして、どうブランディングしていくか。地域のみなさまといっしょになって、地域が主体となるように」。八戸市の特定非営利活動法人ACTYと(株)ACプロモート両代表の町田直子さんは精力的に観光開発と地域開発に走り続けている。

 活動開始は1997年からなので2015年で18年になる。2004年からは、何もない空間に「みなと」をつくる「みなと博ランカイ」を開始。開催場所を変えたり、メニューを変えたり試行錯誤しながら充実と浸透を図っていった。レトロな街並みや駄菓子屋を再現したり、魚の行商人「イサバのカッチャ」ダンスをしたりと、まちに元気を注入した。

 一方でウミネコの繁殖地・蕪島にちなんだユニークな菓子「八戸うみねこバクダン」、海藻スムージーなど八戸らしい商品も開発した。


 10年には街のど真ん中に、まちとみなとを結ぶ「街カフェみなと」をオープン。情報発信拠点であり、営業拠点でもある。13年にはツアーなどを企画するNPOと、企画をもとに商品開発して収益を上げる株式会社との二頭立て体制に移行。株式会社は途切れてしまう恐れがある補助金に頼らないで、各種事業を継続するための手段だが「なかなか難しい」と町田さん。しかし、ひるまずに前進中だ。

 活動の一つ目の輪は「まちづくり(中心街)」で、カフェ運営やにぎわい創出イベント、食べ歩き文化の創出。二つ目の輪は「着地型ツアー」として漁師体験や農家体験、極上の旅の実施。「公共交通の利活用ツアー」としてJR八戸線、歌声列車、産直列車など、さらに「土産品開発」。三つ目の輪は「まちづくり(みなと)」で種差海岸インフォメーションセンター運営、八戸線アテンダントや陸奥湊の魅力発信など。

 実に多彩だが、漁師や農家を巻き込んだり、大人数の集客に成功した冬のイベントで飲食店を巻き込んだり、公共交通を活用したりと、地元と地域の協力があることが分かる。地域に長年入り込んだ上で「地域が主体になるように」というコンセプトに沿っているわけだ。メディア戦略もあり、東京のメディアに営業に出掛けたりもしている。

 「何人集客したというよりも、限りない満足度、100%の満足度を目指したい。クオリティーを上げないとリピーターが来ない」と町田さん。16年春の北海道新幹線・新函館北斗駅開業のプレ・デスティネーションキャンペーン(DC)に早くも照準を合わせ動き出している。開業後のDC、さらに20年の東京五輪開催による訪日外国人増大もにらみ、総勢14人のスタッフの挑戦が続く。

PAGE TOP