もつけ万歳!地吹雪ネットワーク拡大中

 地吹雪と角巻のネットワークが広がり始めている。元締は津軽地吹雪会代表で、内閣府と国交省が選ぶ「観光カリスマ」として知られる角田周さんである。地元金木で地吹雪ツアーを仕掛けて28年、この道一筋である。近づく30年の節目に向けて新たな展開に向けて照準を絞っているようだ。

 地吹雪体験は金木から青森へ、風間浦へ、小川原湖畔へ、そして2016年3月開業する北海道新幹線・奥津軽いまべつ駅周辺へと拡大している。地元有志が取り組んだり、大学生有志が取り組んだりしている。

 弘前実業高校では角巻の各種ニューデザインを披露、青森市のホテル青森では角巻ランチ。体験場所は拡大し、さらに、ファッションへ、食事メニューへと、地吹雪パワーはとどまることを知らず。こんなソフトのムーブメントはかつてないことだ。

 角田さんは「今別の人は新幹線が開業するのに何もないというが、新幹線の駅前に田んぼがあるじゃないか。じゃあ、地吹雪体験でもやればどうかということ。地吹雪体験は山でも海辺でも、どこでもできる」と言い放つ。雪があればよいのだ。何もないと言う前に取り組め。地吹雪や雪国の従来の防寒具である角巻といった、元からある地元素材を生かせ。そう、尻を叩いているのである。

 「3、4年前から日本の個人客のほか、台湾などインバウンド(外国人旅行客)が増えている」と角田さん。今年1月から2月までの地吹雪ツアーは30本以上あり、海外からの視察も来ているという。東北観光推進機構や観光セクションを抱える国土交通省なども関心を寄せる。

 ムーブメントは国内外に拡充中なのだ。民間の角田さん一人の孤独な挑戦から30年近く経って、大きな白い果実が実りつつある。「地吹雪体験に来た観光客が背中を押してくれて、ここまで来た」と振り返る。この一言に長年の思い、重みがあると感じた。津軽には愚直、調子者などを意味する方言である「もつけ」という言葉がある。まさに、もつけ万歳!である。



雪の上に浮かぶ木橋「鶴の舞橋」

 300メートルの日本最長級の木橋「鶴の舞橋」は、津軽富士見湖の水面の雪の上に浮かんでいた。風雪が強い。ここは津軽の鶴田町。隣接して建つ宿泊施設「つがる富士見荘」の総支配人の長内宏さんは「長年、写真を撮って2日間だけ」という奇跡の光景、青天の鶴の舞橋と冬の霊峰岩木山を切り取った。写真愛好家の会心の写真でもある。

 1994年完成した鶴の舞橋は青森ヒバでできている。冬の風雪に耐える青森人のように頑強無口素朴。しかし3連の太鼓橋は青森人の内面にように優美であると思いたい。ほめ過ぎだろうか。日本最長級を目指したところが、これまた、ほどほどの加減を乗り越えてしまう青森人らしい。

 長内さんは1999年から同所に勤めている。客が楽しめるように、部屋に写真を飾ろうと撮りはじめた。「自然は一つとして同じものはない。朝日も夕日も一刻一刻、変わっていく。チャンスを逃すと二度と撮れない」という。かくして、朝昼晩、春夏秋冬。傑作が生まれていくのである。ぜひ、掲載した写真をご覧あれ。

 長内さんのほか、多くの写真愛好家も随時、撮影に集う。疲れた体は同所の温泉で癒せばよい。「ここの温泉はいいよ」。近所の人たちの温泉利用も多い。

八甲田パウダースノーに外国人「グッド」

 八甲田の山スキーは12月初旬から5月大型連休最後の半年間楽しむことができる。八甲田ロープウェーの山頂公園駅から降り立つと、さあ、5キロのフォレストコースや3.5キロのダイレクトコースが待っている。極上のコースだ。

 「最近は厳冬期の1~2月にオーストラリア、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、スイス、アメリカなどの外国人スキー客が増えてきた。パウダースノーが目的ですね」と、同ロープウェーの菊池智明さん。東京から北海道そして東北へ、東京から東北そして北海道へと移動しているという。

 訪ねた2月下旬、米国人の2人組がいた。「グッド!とても楽しい」と笑顔で話した。北海道と八甲田とで半年間滑るのだという。えっ半年間も!?驚いて職業を聞くと、一人はパイロットで一人はITエンジニアだという。うーむ、高度な専門職だけに休暇も長期なのであろうか。

 菊池さんによると、外国人客のスキーのレベルは高い。ヨーロッパなどで滑っているのでスキルがあり、セルフレスキューの装備もしているという。ここ八甲田は、ゲレンデが整備されている国内著名スキー場での基礎スキーを卒業したスキーヤーのコースなのだ。


 「だれも滑った形跡がないノートラック。同じコースでも毎日リセットされ、雪質も変わる。国内でも最高の雪質。天気の良い日、八甲田や蔵王、八幡平などにしかない樹氷の間を滑る。とてもきれい」。なるほど、すべてが最高なのだ。ヨーロッパなどから押し寄せ始めつつあるわけだ。今後は言葉の問題や掲示板、外国人の生活スタイルに合わせて対応していきたいという。


 八甲田は、もとより冬だけではない。紅葉の素晴らしさは今さら言うまでもないであろうが、同ロープウェーを起点とした八甲田ゴールドラインの30分コース、60分コース、毛無パラダイスラインの150分コース、大岳登山コースの240分コースなどがあり、四季折々に楽しむことができるのである。名湯・酸ケ湯温泉もある。頑張れ八甲田。みなさんを楽しませて。

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