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| 東北新幹線が全線開業しました。全国から満を持して訪れるお客さんたちを青森県民らしくおもてなししたい−。そんな新しい出会いを大切にするためのヒントを県民の生活や仕事、活動の中から探し紹介します。 |
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■最終回 弘前だんぶり池 山あいの10枚の田んぼを、半世紀前の津軽の里山に甦らせている「ひろさき環境パートナーシップ21(HEP21)自然環境グループ」。弘前だんぶり池の名の通り、トンボが40種確認されたほか、メダカ、ドジョウ、ホタル、サンショウウオなどが次々と住み着いています。全国でメダカが減った、トンボを見なくなったという声が上がっていますが、では、どうすればいいのか−。だんぶり池には、そのヒントがあふれています。「人が努力し工夫すれば、自然を取り戻せることを伝えたい」とHEP21副代表の村田孝嗣さん(61)。
◇ だんぶり池を発案した村田孝嗣さんの頭には、都会の壊れた自然の中に生き物が住める所を作るビオトープとは違うもの。本来の自然をもう一度再生させようという思いがあった。「自然の復元力を生かそう。今だったら間に合う」が口癖となる。 昭和30年代以前は津軽でも田植えや田の草取りは人力だった。農業人口が減ってきて除草剤や田植機が登場。苗はビニールハウスでそろったものを使い一年中水を張った苗代が減る。そこに住む生き物がいなくなった。 だんぶり池も以前は一面柳原だった。ボランティアの福井善三さん(72)は「一枚に大小千本の柳があり、人力で抜いた」と振り返る。さらに化学肥料の影響で特定の藻が繁茂。水を掛け流し肥料を分解させるのに6年かかった。 ただ作業を始め、沢から水を入れて池を作って2日目には「メダカがいる」という声が上がった。誰も放流していない。結局、古い堰に残ったメダカが池に移ってきたことが分かった。続いてタニシも下流の田んぼに残っていてぞろぞろ池まで上がってきた。ドジョウも大水で沢があふれたとき大物が見つかり、どんどん住み着くようになった。環境が良くなるとトンボは飛んでくる。今年の春「ダビドサナエ」というトンボを見つけ、40種目になった。 しかし、トンボは水の流れる所が好きな種もいれば、絶滅危惧種のハラビロトンボのように新しくできた湿地が好きな種もいる。こうした生物の多様性を維持するためには、冷たい池も中間の温度の池も、浅い池、深い池、じゅくじゅくの湿地も必要になる。 そのために人の手は欠かせない。「土砂は流入するし、植物も放っておくとすぐヨシが生えて柳原になり、非常に単純な自然になる。我々の作業はエンドレスなんですよ」と村田さんは笑う。 だんぶり池の生き物の復活を見て自分たちもやってみたいという人は増えてきている。HEP21代表の鶴見実さん(62)は、「おもてなしとは、自分たちがどうやって楽しんでいるか、どういうこだわりをもって生きているか共感してもらうことだと思う」と語る。だんぶり池をもっと多くの人が知り、ふれてもらうことで共感の輪を広げたいと考えている。 ![]() 多様な生物はぐくみトンボ40種確認
「持ち込まない」「持ち去らない」が活動の合い言葉−と鶴見実さん。鳥の糞に入っている種は仕方がない。オニヤンマやカブトムシを採った子にも最後は返すように言っている。さらに機械力は極力使わない。 しかし、人力でできる範囲は限られている。池を掘って出た土の処理には困った。土の山を見ていたら橋を架けるとトンボの形になることを発見。そのまま「だんぶり島」にした。作業でいったん抜いたヤマナラシという木は今、池のシンボルになっている。「臨機応変。どの生物を住み着かせるかも、作業の進み方をみてやっている」 ここを訪れ発見することは数限りない。「オタマジャクシを初めてつかみ、つぶしちゃってびっくりしている小学生がいた」。団体で訪れた中学生には、大抵学習したがらない子が数人いるが、勝手に遊ばせていると生き生きとしてくる。「そういう子はまた来る。先生の言う通りにやってる子は来ないね」と鶴見さん。自然のメダカが黒いことを初めて知った理科の先生もいたという。
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