結集!!青森力 大好き青森県 どんと来い新幹線 動画


 今年12月に新幹線が青森まで開通します。全国から視線が集まる青森県。これを機会に県内各地の良いところを10回のシリーズでさまざまな方からPRしてもらいました。

■第5回 北五編 〜炭で青森を元気に

佐々木 嘉幸さん(72歳 中泊町・中里)

 30年にわたり木炭作り
  新たな事業に取り組む県木炭協会会長
  ■バックナンバー

第1回 下北編
 柳田良子さん(2009.10.25)

第2回 三沢・おいらせ編
 淨法寺朝生さん(2009.11.15)

第3回 十和田地域編
 小野雪絵さん(2009.11.29)

第4回 黒石・南津軽編
 木村藤代さん(2009.12.17)

第5回 北五編
 佐々木嘉幸さん(2009.12.27)

第6回 弘前編
 坂本 隆さん(2010.1.17)

第7回 八戸・鮫編
 野田 継子さん(2010.1.31)

第8回 三戸・五戸編
 西山 光子さん(2010.2.14)

第9回 青森港編
 細川 英邦さん(2010.2.28)

第10回 津軽半島 道の駅編
 一戸 明彦さん(2010.3.14)


 炭焼きを始めたころは、何かに活用できるなんて思っていなかった。それが炭入り堆肥(たいひ)を作ってみたら、野菜が成長して、その効果に驚いている。この炭入り堆肥を通じてリンゴ農家や町、県を元気にしていきたい。

 ◇

写真
炭焼き窯の前で作業に忙しい佐々木さん
 建設業の副業として炭焼きを始めた。以来30年間、黙々と炭を焼き続けている。5年ほど前からは炭や木酢液を活用した堆肥を作り始めた。「きっかけは養鶏場から出る鶏ふんの公害をなんとかしてほしいと頼まれたこと。県の指導を受けて、鶏ふんにリンゴの搾りかす、もみ殻、製材所で余った木の皮を混ぜて堆肥を作った。鶏ふんの影響で臭いがすごかったので、消臭効果のある炭や木酢液を混ぜた。できた堆肥は全て県産で、お金を掛けて捨てているものが、商品として生まれ変わった」

 炭入り堆肥を使ったリンゴ農家から「(根が腐る)紋羽病にかかったリンゴの木から根が出てきた」と連絡が来た。この結果を弘前大学の園木和典教授、松本和浩助教に報告。弘前大学では、炭入り堆肥が野菜の生長促進に効果があることなどを実験し、研究を進めている。佐々木さんは「全国には根が腐る病気に悩まされている農家が多い。そんな人たちにも使ってほしい」と話す。

 今後について佐々木さんは「今は野菜の切れ端など、食品の残渣が多く、お金を掛けて処分している。それも堆肥にできないかと考えている。またわら焼きも公害だと騒がれているが、稲わらも堆肥にできる。そうすると公害を防ぐことになる」と語る。

 佐々木さんの炭は弘前公園のサクラにも関わっている。「老木の根の近くに炭を入れると元気になるみたい。樹木医に『日本一の弘前公園のサクラは佐々木さんの炭によってできたもの。大いに自慢して』と言われた」と胸を張る。

 「新幹線が全線開通になると、全国、海外から青森県にたくさんの人がやって来る。県産材料だけで作った炭入り堆肥で農作物を育て、安心安全でおしいしい食糧を食べさせたい」と意気込む。

 県木炭協会の会員は8人。後継者がいないことや利益になりにくいことからから、会員は減少している。「炭は炭でも、堆肥を作るなど、二次、三次加工していけば、青森県が木炭の有力な生産地になる可能性を秘めている」と夢を語った。

 ▽取材余話

 作業場には黒炭と白炭を作る窯がある。黒炭は土の窯で焼き、窯を密封して火を消して作る。白炭は石の窯で焼いた炭を窯の外に出して火を消す。「黒炭はバチバチと燃えるから暖炉用。白炭は料亭で焼き物などに使われ、燃やすと暖かみのある火になるんだよ」。佐々木さんは目が輝いて見えた。黒炭を入れた堆肥は、南部のにんにく農家が在庫がなくなるほど買いに来るなど売れ行きは好調だという。

 
顔写真 ・土壌改良の効果に期待
荒関勝己さん(64)
(中泊町中里亀山 農業)

 「野菜作りに炭入りのたい肥を使ったら、色が濃くなり、葉に厚みが出た。食用菊は花が大きくなって、食べごたえが増すようになった」

 トマトやナス、キュウリ、里芋、ネギなどに使ったという。畑を起こす前に炭入りたい肥をまいておき、トラクターで混ぜながら、土と一緒に耕やした。

 「病気にも強いようで、ナスは10本植えると1・2本はしおれるものだけど、炭入りたい肥を使うと、そんなことはない。畑に2・3年続けて炭入りたい肥を混ぜて、1年休んで、また入れる。効果を確認しながら使ってみたい」と話す。「土壌が改良されていくのが、分かるのではないか」と期待している。
 
顔写真 ・新鮮な農水産物いっぱい
土岐和子さん(62)
(五所川原市金木町嘉瀬端山崎 西北津軽産直ネットワーク協議会長)

 「西北津軽産直ネットワーク協議会が主催する『産直の日』は北五地方と西郡、両方の農水産物がそろうのが特徴で、大豆製品など加工品も豊富です」

 北五と西に分かれていた産直ネットが今年、合併し、20団体で新組織を設立した。土岐さんが会長を務めている。炭製品の佐々木嘉幸さんもメンバー。「農産物中心の北五と水産物の西が同じ組織になり、新鮮な農水産物が豊富。西郡のメロンやスイカが好評」という。

 金木町生き生き直売会で転作大豆を使った豆腐やみそ、厚揚げなどを手掛ける。「加工品作りは朝が勝負、西郡は遠いため、直売会の日はますます早起きになった」と元気いっぱい。
顔写真 ・有機栽培活用に手応え
坂本清衛さん(60)
(つがる市木造越水鶴野 つがる市認定農業者協議会長)

 「有機栽培の収穫は10アール当たり収量(単収)が激減しているように見える。でもコメ粒の出来が良く、クズ米が少ない。結局、同じか、やや下回る程度」

 有機栽培が共通テーマの「つがる百笑苦楽分(ひゃくしょうう・くらぶ)25人の会」会長。有機100%のコメを目標に今年は除草剤を1度だけ使ったが、病害虫は完ぺきに抑え込んだ。

 今年、グループで木酢液をメロンやスイカ、野菜などに使った。「数年経過を見たいが、雨が多いなど悪条件の割に虫が見えず、病気も少なかった。メロンは収量が上がった」という。「佐々木嘉幸さんの木酢液は材料が分かるし、絞るところを見せるから安心して使える」
 
顔写真 ・青森から世界に発信
松本和浩さん(32)
(弘前大学助教 農学生命科学部附属 生物共生教育研究センター 藤崎農場 博士)

 「炭入り堆肥の効果をリンゴで確認しようと思うと何年もかかる。しかし野菜で調べると、成長を促進する効果が数十日で確認できた」

 炭入り堆肥の効果をハツカダイコンやチンゲンサイ、コマツナで実証し、佐々木さんと共に横浜市で開かれた学会で発表した。「炭は世界であまり活用されていない。それを農業で使うのは新しいアイディア。スペインの国立研究所が炭入り堆肥を試験研究しようと見学に来ている。炭の活用を世界に発信していきたい」と話す。「産廃で堆肥を作ることは環境に優しい。新幹線が来たら、青森県の農業や自然の豊かさ自体に価値があるということを宣伝したい」

次回は1月17日です

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