2008年7月12日(土) 東奥日報 道新ニュース


■ 太平洋戦争中の南方戦線 久生十蘭の従軍日記」原本を公開 函館市文学館

 函館市出身の直木賞作家、久生十蘭(ひさおじゅうらん)が太平洋戦争中に南方戦線で書いた「従軍日記」が昨年秋に出版され、原本は著作権継承者のめいが今年二月、函館市に寄贈した。この原本を公開する「久生十蘭『従軍日記』展」が十五日から八月十五日まで、函館市末広町の市文学館で開かれる。

 一九〇二年(明治三十五年)に函館で生まれた久生十蘭は時代物や探偵小説など多彩な著作で知られ、五二年に「鈴木主水(すずきもんど)」で直木賞を受賞。五七年に他界した。海軍報道班員として現在のインドネシアなどの南方戦線に赴いた四三年から一年間、身辺雑記風の従軍日記を書いた。十蘭の妻の遺品を整理していためいの三ツ谷洋子さんが、四年前に原本を発見。道教大函館校の小林真二准教授が原文を読み解いて活字化する翻刻(ほんこく)を担当し昨年十月、講談社から刊行された。

 今回は日記の原本三冊のほか、軍部の戦闘記録を十蘭が書き写した「第九三四海軍航空隊戦闘詳報」、出征に際し、探偵小説家の小栗虫太郎らが寄せ書きして十蘭に贈った日章旗などを展示する。

 十蘭の著書を閲覧できるコーナーも設ける。入館料は一般三百円、学生・児童百五十円。

 初日の十五日は午後六時半から小林准教授が資料の見どころを解説する。聴講の申し込みや展示の問い合わせは函館市文学館(電)0138・22・9014へ。(山本泰人)

(北海道新聞提供)

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