| 2000年1月31日(月) | ![]() | 第2号 |
【名川町名久井小六年・松井誉幸】 農業を体験し、農家にホームステイするグリーンツーリズムが関心を集めている。名川町のぼくの家でも六年前からお客さんを受け入れている。感想文を見るとホームステイ先の家族とのふれあいが印象に強く残っているようだ。ぼくの家をおとずれたのはこれまで神奈川県栗原高校、大阪初芝富田林高校、京都洛南高校付属洛南中学、韓国やドイツの夫婦、宮城県の役場職員ら。リンゴの花つみ、葉っぱ取りなど体験してもらっている。 修学旅行の感想文を見ると「農業体験の前は不安でいっぱいだったが、終わったとき一番印象に残っているのは観光地ではなくホームステイ先。そこの家族とのふれあいが心に残っている」「何気なく食べているものが、たんせいこめて作られていることが分かり、むだにできない気持ちと感謝する心が分かった」「サラリーマン生活とはちがった人間らしい生活をしている、と思った」「町の風景や星がとてもきれいだった。郷土料理や自分で収かくした新せんな果物や野菜がとてもおしいかった」と書かれていた。 県内でグリーンツーリズムのホームステイ受け入れをしているのは名川町、三戸町、南部町、田子町、三沢市、下田町、東北町、弘前市、相馬村、岩崎村の十市町村。 東北新幹線が本県まで来ると、もっとたくさんの人がおとずれる。その人たちに青森県の良さをどのようにアピールしたらいいのか、県農林部の仙北富志和部長に聞いてみた。仙北部長は「青森県を正しく理解してもらうことが大切だ。風景の良さや昔からの生活を楽しんだり、伝統文化にふれてもらいたい。財産はいっぱいある」と答えた。 グリーンツーリズムのため小学生にできることについて仙北部長は「郷土愛を持つことだ。農業や花壇作りの手伝いや郷土料理づくりに参加してほしい。植物や木の名前を覚えてパンフレットを作り、お客さんに教えると喜ばれる。大事なのは、ありのままの農村の姿を見てもらい体験してもらうことなので、決して無理をしないこと。その土地にあるものを食べてもらうことが大切だ。おとずれる人も受け入れる人もお互いがたのしんで交流することが大事だ」とアドバイスしてくれた。 ※写真はグリーンツーリズムで名川町のぼくの家のリンゴ園を訪れた大阪初芝富田林高校の生徒さんら
【新郷村戸来小六年・荻沢征宏】 新郷村扇ノ沢地区の藤村正勝さんのビニールハウスでは、春の花だんづくりに使う花の苗の植え付けや、五月から出荷する菊のさし穂作業の真っ最中だ。藤村さんは十三年前から、ニンニクや長芋に比べて軽作業でできる花作りに取り組んでいる。最初は花の作り方や性質が分からず失敗の連続だったが、現在は十五棟のハウスで菊を中心にトルコキキョウや、昨年から取り組んでいる春の花だん苗のパンジーの栽培をしている。 作業内容は、菊はさし芽、定植、つぼみ取り、わき芽取り、収穫、出荷の順。花だん苗は種まき、仮植のあと、ポットに植えた花が一−二輪さいたら出荷となる。これらの作業は主に藤村さんと妻のとし子さんで行い、作業が大変なときは臨時雇用する。 出荷は、菊とトルコキキョウは農協を通じて県内外五カ所の花市場へ出される。花だん苗は、藤村さんが個人で近くの市場に出荷する。藤村さんは「花はきれいで気持ちよく作業できるが、虫や病気が付き、農薬をかける回数が多過ぎるのが難点だ。でも、今後は今以上に良い花を作りたい」と話している。 ※写真は3月中旬ごろから出荷する予定という「花だん苗」のハウス
【六ケ所村千歳平小五年・石川ひと美】 六ケ所村では開拓農家が代々切り開いてきた土地で酪農を営んでいる。二十一世紀の青森県は、人間と農業、また人間と動物が自然環境の中でどう”共生”していけばよいのか、北里大学畜産学部の伊藤伸彦教授に聞いた。−なぜ獣医に? 「牛のお医者さんになりたかった。動物や人間のためになる研究をしていると、新しいことがどんどん見つかるのでうれしい」 −今の私たちは、自分が生きるために環境を破壊している部分もあるが。 「美しく広がる麦畑は、人間が自然を壊して造ったものだ。しかし、生きるために農業がある。人間も自然の一部として生きていくため、最小限の恵みをもらわなければならない。大切なことは『一人ひとりが自然をまもろう、といつも心がけること』だ」 −二十一世紀の青森県の酪農は? 「まず、環境を守る酪農を考えること。そして全国の消費者においしい牛乳を買ってもらえばよい。そのためには、牛が健康で楽しく暮らさなければならない。特色のある加工製品を作る必要もある」 −青森県農業の特色を出すためには? 「寒さや涼しさをいかした農業をみんなで考えればよい。『こんな勉強役にたたない』ではなく、いろいろな知識をたくさん学ぶことが大切。その知識がアイデアやひらめきにつながる。たくさんの種をまいて、たくさんの花を咲かせよう。あきらめることが一番だめだと思う」 −動物医学でどんな進歩が期待できるか。 「これからはもっと技術が進歩していくだろう。しかし、新しい研究や技術には良い面と副作用という悪い面がある。役に立つものを研究しても、その使い方に気をつけていく必要がある。また、実験のため動物を無駄に殺さない、苦しめないルールも作られている。解剖技術も変わった。動物のことを優しく考えることができれば、友達のことやお年寄りのことも優しく考えられる人になれる」 ※写真はインタビューに答える伊藤伸彦教授
古館行雄農場長は「三農を紹介するためと、農業の役割を子どもたちに知ってほしかったから」と子どもたちに農場を開放している理由を説明する。
おとずれるのは主に幼稚園児や小学生で、遠足や社会見学の授業を利用し、本年度は二十五団体、約千五百人が来校した。開放の内容は、五月の田植え、八月のジャガ芋ほり、九月のリンゴもぎ、十月の稲刈りのほか、ダチョウのスケッチ、ニワトリの卵集め、ポニーとのふれあい、アイスクリーム作り、ともりだくさん。「動物が多い。緑がきれいで広い」と子どもたちに人気だ。 古館場長は「三農の農場は東京ドームの三倍の広さで、牛四十三頭、豚百四十頭、ニワトリ五十羽のほか馬、ポニー、ヒツジ、ダチョウ、アイガモなどたくさんの動物がいる。花や虫など自然もいっぱいで、遊びながら農業のみりょくや楽しさを感じられるはず。毎週木曜日にはアンテナショップに新せんな野菜が並ぶのでどんどん来てほしい」と話している。 ※写真は三農の農場でサツマ芋をしゅうかくする子どもたち |